【民泊概論】民泊参入者のための基礎知識3|用途地域に注意!!

本サイトでは、用途地域についてたびたび解説してきましたが、民泊新法施行に伴い、数々の独自条例で、都市計画法に規定される13種類の用途地域以外にも、特別用途地区など、上乗せの規制もありますが、今回は、民泊用物件を選定するうえで必ず押さえておかなければならない用途地域・特別用途地域について解説します。

用途地域の法律上の定義は?

用途地域の根拠は、都市計画法で市街化区域の中で定めることとされています。市街化区域とは、おおむね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域とされていますが、 市街化区域には、用途地域が定められ、これに基づき、自治体による道路、公園、下水道などの都市施設の整備も重点的に行われるというわけです。

用途地域ようとちいき)とは、都市計画法の地域地区のひとつで、用途の混在を防ぐことを目的としている。住居、商業、工業など市街地の大枠としての土地利用を定めるもので、第一種低層住居専用地域など13種類がある。

出典wikipedia

用途地域は、以下の表のとおりですが、主に「住居系」、「商業系」、「工業系」り3つに分類され、これらをさらに細分化して13種類の用途地域があります。

詳しくは、巻末の過去の記事をご覧いただきたいのですが、民泊・旅館業な関するポイントとして以下の点を抑えてください。

旅館業ができる用途地域

住宅は、工業専用地域以外のほとんどの用途地域に建っていますが、旅館業(旅館・ホテル、簡易宿所)が建設(=営業許可と考えてください)できる用途地域は限定されています。

絶対に覚えておくべきポイントは住居専用地域は不可ということです。下表の左から4番目までの区分です。住居専用地域は、管轄自治体で調べることが可能ですが、実際の街並みを見てみると明らかです。

見た目としては、事務所や店舗などの商業的に利用できる施設がないか、極端に少ない地域は、住居専用地域であることが多いので、特にコンビニや商店んどが全くないような場合は、ご注意ください。

特別用途地区の制度を使った上乗せ規制又は規制の緩和

なお、用途地域へのさらに細かい上乗せ規制として、「特別用途地区」という制度があります。特別用途地区とは、用途地域の規制とは別に、自治体独自で細かく規制をかけ、又は規制を追加できる制度で、昔は11種類の区分を定めることしかできませんでしたが、現在は、自治体の裁量で、ほぼ自由に定めることができます。

特別用途地区は、用途地域内の一定の地区において、地区の特性にふさわしい土地利用の増進、環境の保護等の特別の目的の実現を図るため、用途地域の指定を補完して定める地区です。

出典:都市計画法第9条第13項
●特別用途地区で規制が強化される地区|文京地区など

旅館業や民泊で注意すべき点は「文京地区」、「小売店舗地区」などで、文教地区は、風俗営業やホテル旅館などが制限されている場合がほとんどです。以下、東京都内では、都の条例( 東京都文教地区建築条例 )により文京地区の規制が定義されており、各自治体単位でも指定されれば、同様の取扱いとなります。

文教地区
・文教地区では以下の用途が制限されます。
第一種文教地区
1.キャバレー、料理店、ナイトクラブ、喫茶店などで風営法の適用をうけるもの
2.ホテルまたは旅館
3.劇場、映画館、演芸場または観覧場
4.マーケット(市場を除く)
5.遊技場、遊戯場(学校附属のものを除く)
6.旧公害防止条例(昭和24年東京都条例第72号)別表に掲げられていた作業を常時行う工場
7.勝馬投票券発売所、場外車券売場および勝舟投票券発売所
8.前各号の建築物に類するもので、環境を害し、または風俗をみだすおそれがあると認めて知事が指定するもの(注釈)

第二種文教地区
1.キャバレー、料理店、ナイトクラブ、喫茶店などで風営法の適用をうけるもの
2.ホテルまたは旅館
3.劇場、演芸場または観覧場
4.勝馬投票券発売所、場外車券売場および勝舟投票券発売所
5.前各号の建築物に類するもので、環境を害し、または風俗をみだすおそれがあると認めて知事が指定するもの(注釈)

出典:豊島区ホームページより

上記は、豊島区ホームページに掲載されていたものの抜粋ですが、「ホテルまたは旅館」と記載がありますので、旅館業は不可ということです。当然ながら、簡易宿所も不可ということてです。

●特別用途地区で規制が緩和される地区|観光地区など

逆に「観光地区」などは、本来は旅館業を行えない住居専用地域などで、規制を緩和し、営業できるようにするもので、別荘地などで多く適用があります。関東で最も有名なのは、箱根町で以下のようになっています。

※箱根町の観光地区指定による規制の緩和

第1種観光地区第一種低層住居 専用地域の全域 規制専用住宅(一戸建て及び2戸以下の長屋)または別荘管理事務所を兼ねる併用住宅(住宅部分が2分の1でかつ事務所部分が50平米以内)以外は建てられない
第2種観光地区第二種低層及び
第一種中高層住居専用地域の一部
緩和旅館・ホテルが建てられる
第3種観光地区第一種住居地域の一部 緩和旅館・ホテルでその用途に供する部分(居住部分は除く)の延べ面積が3000平米を超えるものと旅館・ホテルで料理店(建築基準法別表第2(ち)項第二号に掲げるもの)を兼ねるものが建てられる

住宅宿泊事業|全自治体の用途地域規制掲載!!

住宅宿泊事業については、用途地域などの都市計画法の制限というよりも、住宅宿泊事業施行条例などを別途制定し、条例の中で●●地域、●●地区での住宅宿泊事業を禁じるなどの措置が設けられている場合が多く、条例ではなくガイドラインや告示などで制限されている自治体も非常に多くなっています。

旅館業と違い、住居専用地域での営業の有無、日数制限などは自治体の裁量に任されており、地域により運用は全く異なっていますので、事前の調査が重要になってきます。

2019年4月現在で、用途地域規制がある自治体は以下のとおりです。

出典:観光庁資料「自治体条例の制定状況2019.4.1」

以下、各自治体の個別の規制状況について掲載します。

出典:観光庁資料「自治体条例の内容2019.11.20」
出典:観光庁資料「自治体条例の内容2019.11.20」
出典:観光庁資料「自治体条例の内容2019.11.20」
出典:観光庁資料「自治体条例の内容2019.11.20」
出典:観光庁資料「自治体条例の内容2019.11.20」

※その他用途地域については、過去の記事で解説していますので、こちらもご覧ください。

http://fujino-gyosei.jp/2-youtochiiki/

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