民泊にかかる費用はいくら?|旅館業/民泊申請のプロが教える民泊にかかる費用7選

民泊にかかる費用についてお問合せが多いですが、コストをどのくらいかかれば開業できるのでしょうか?民泊に参入しようとすると、まず、最初に気になるのは、初期費用やランニングコストがいくらかかるかということはないでしょうか。今回から8回シリーズで、民泊開業運営にかかる費用について、解説していきます。

【民泊にかかる費用一覧】

1物件の取得費、賃料

民泊を始めるには、まずは物件が必要です。自己所有であればよいのですが、物件を持つていない場合は、物件探しから始める必要があります。

1-1物件を購入の場合

物件を購入する場合は、不動産の取得費がかかります。物件により、不倒産価格は様々で、数百万~数億以上とまちまちです。民泊転用でおすすめの中古戸建、事務所ビル等です。

1-2賃貸物件の場合

賃貸の場合は、「民泊に使用の有無」をまず最初に確認してください。

オーナーが使用を許諾している物件は、多くはありません。専門のサイトもありますが、大体が相場の1.5~2倍程度で流通していますので、賃料と収益を比較し、検討して下さい。

1-3自己所有物件

自己所有物件の場合の取得費用は0ですが、旅館業の許可を取ると、固定資産税が変わりますので注意。また、賃料収入と旅館業や住宅宿泊事業の 収益を比較し、検討して下さい。

1-4不動産仲介手数料

売買にかかる仲介手数料

物件売買の仲介手数料の上限は、物件価格×3パーセント+6万円+税と覚えてください

速算法
(売買価格×3%+6万)×消費税

物件価格が少額の場合の計算

依頼者の一方から受領できる報酬額
取引額報酬額
取引額200万円以下の金額取引額の5%以内+消費税
取引額200万円を超え400万円以下の金額取引額の4%以内+消費税
取引額400万円を超える金額取引額の3%以内+消費税

その他、登記費用、各種税金、保証料などを想定して下さい。一般的には、最大で物件価格り1割程度の諸費用がかかる場合が多いです。

賃貸の場合は賃料の1月分が上限

賃貸の場合は、仲介多数料以外にも、

敷金礼金前家賃仲介手数料火災保険料保証料保証金

なじを考量すると、1月の賃料×3(最低限)~12か月分かかることを想定して下さい。

2申請に係る費用

通常、行政書士が申請します(行政書士以外のコンサルタントや不動産業者などが業として有料で申請する場合は、法律違反となり罰せられる可能性があります)。また設計費用、用途変更(建築確認)などは建築士に依頼するのがよいと思います。なお士業の報酬は自由化されていますので、事務所により大幅に異なります。

2-1行政書士費用

大体の相場は、旅館業や特区民泊で25万円~40万円くらい。民泊(住宅宿泊事業)で20万円前後です。

※地域、事務所、取り扱い実績によりまちまちですが、専門で旅館業・民泊申請業務を行う事務所は多くはありません。

申請書作成のみや図面作成のみなどの単発の料金体系がある事務所もあります。

※参考:当事務所料金表

2-2建築士費用

図面作成、設計料:規模、内容に応じまちまちです。数万円~数百万円。新築の場合は、施工費用×●●パーセントなどで計算されることが多い。

用途変更(建築確認の変更(200㎡超の転用))については、数百万円~という事務所が多く、100万円を切るようなケースは稀です。建築確認の有無(検査済証の有無)、増築、耐震性などにより価格は変わってきます。

3内装や設備にかかる費用

内装やリフォームについては、新しい物件の場合、かからないと考えている方も多いのですが、消防設備については、ほとんどの場合、設置が義務付けられています。

なお、民泊は、消防法上は、不特定多数の者が出入りするものとして政令で定められる、特に火災が発生しやすい施設である「特定防火対象物」と規定され(建築基準法でもホテルや旅館は、同様に「特殊建築物」と取り扱われます。)されていますので、防災上の警戒レベルが特に高くなり、当然火災報知機や避難器具などの設置基準が厳しくなります。

3-1消防設備・防災工事

消防設備については、特に「自動火災報知設備」の費用がかかります。

特定小規模用(無線式)のもので数十万円程度(東京都内・小規模施設の場合、防災工事費は50万円前後~100万円程度がボリュームゾーンです。)

3階建て以上の建物については、本格的なもので(P型2級等)、100万円~数百万円が相場です。

施工例:

都内2階建木造 消防設備工事(特定小規模用) 80万円

都内木造3階建 消防設備工事(有線p型2級他) 300万円

3-2耐火構造、防火区画設置工事

建築基準法に基づき、階段や廊下などの防火区画の工事が必要な場合があります。

耐火(準耐火)の壁(界壁)+防火扉(又は代替品)の場合、戸建て住宅の場合200万円~500万円くらい施工費用がかかる場合があります。

施工例:都内3階建木造 防火区画+消防設備工事 510万円

    都内4階建鉄骨 防火区画+消防設備工事 650万円

    都内3階建て木造 防火区画+消防設備工事 390万円

3-3内装合時(水回り、リフォーム)

こちらについてはまちまちですが、

トイレ増設やシャワー増設が、最低でも数十万円程度とお考えください。風呂を増設する場合は、100万円以上が一般的です。

※廃棄物、設備のグレードなどにより価格は変わります。

エアコン増設については、10万円~30万円程度

3-4家具、寝具

家具寝具については、中古で揃えたりという方もいますが、ベッドなどは、耐久性を考えると有名メーカーのものがよいでしょう。

シモンズ、フランスベッド等は中古でもそれなりに値段が高く、家具トータールでコーディネートすると100万円以上かかる場合も多く、よく検討してください。

写真映えするものが選ばれる傾向にあります。

4運営代行費用

民泊代行会社に委託する場合は、ホテル業の代行や住宅宿泊管理業の登録業者から選択するとよいと思いますが、登録業者でも実績が確かとは言えませんのでご注意を!

一般的には売上×●●% という料金体系が多い→相場は売上の20%くらいです。以下、内訳です。

4-1集客代行

Airbnb、楽天トラベル、Booking.comなどの集客サイトへの手続等の費用です。

4-2オペーレーション代行

実際のお客様の応対、チェックインなどの代行費用です。

4-3住宅宿泊事業の報告(住宅宿泊管理業)

住宅宿泊事業に基づく報告を行う場合、委託料とは別に費用を取っている業者も多い。

契約する場合は、国土交通省の業者登録を確認して下さい。

5クリーニング費用

民泊を日々清潔に保のつのは、営業上の観点のみならず、国や自治体の定める許可要件や法令上も施設内を清潔に保たなければなりません。清掃費用はそのための必須の費用です。

5-1清掃業者外注(リネン、日常清掃)

リネン類(寝具、タオル等)交換、簡単なルームクリーニングを代行する業者に委託します。一般的には数千円/1回程度で、大きな部屋は割高です。㎡単価、時間単価など様々です。

5-2定期清掃

定期的に本格的に清掃を行う場合は専門の業者に依頼します。床、カーペット、ダニ、ゴキブリ駆除、配管清掃、床ワックスなどは定期的に行った方が、営業上有利です。

6人件費

人件費は、民泊代行業者に委託すると、一般的には委託料に込みとなりますが、ご自身でスタッフ・支配人・コンシェルジュを手配する場合は人件費が必要になります。

6-1緊急時対応(自社スタッフ、委託業者、セコム・ALSOKなどの警備会社)

●●円/回、時間などの場合や時給の場合など様々です。

6-2支配人、フロント人件費

請負契約の場合、時給×時間×日数

雇用契約の場合、上記に加え社会保険料などが必要になる場合があります。

旅館業については、法改正され規制緩和された現在でも常駐が必要な自治体もあり(東京都では、台東区、荒川区、中央区など)、また、常駐しない場合であっても、緊急時に10分以内に駆付けが義務付けられている自治体も多くあります。

7税金等

民泊は事業用の収入ですので、当然に税金がかかります。また、建物自体にも固定資産税がかかれますので、こちらのコストも無視できません。とくに固定資産税は、ホテルや旅館の場合は、住宅の優遇が受けられなくなりますので、ご注意ください。

7-1民泊にかかる税金

自己所有物件の場合は、固定資産税がかかりますが、旅館業の場合は、事業用の建物のため、住宅用建物の優遇はなくなります。→土地の固定資産税の減額措置はなくなります。過去記事参照「民泊とコストの関係(第1回)固定資産税

もちろん、所得税や事業税等もかかります。

7-2税理士、会計処理

民泊は事業(ビジネス)であり、当然ながら個人であれば所得税、法人であれば法人税がかかります。収益額が多くなると税務申告や会計処理を税理士や経理代行会社等に依頼することが一般的で、月々数千円~数万円、確定申告時に別途、費用がかかる場合があります。民泊や旅館業に詳しい税理士に依頼して下さい。

以上、7つの項目について、概要を説明しましたが、次回より、各項目について、詳しく説明していきます。

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