民泊にかかる費用7選-3|内装や設備にかかる費用(消防設備、防火設備ほか)

内装や設備にかかる費用

内装やリフォームについては、新しい物件の場合、かからないと考えている方も多いのですが、消防設備については、ほとんどの場合、設置が義務付けられています。民泊は、消防法上は、不特定多数の者が出入りするものとして政令で定められる、特に火災が発生しやすい施設である「特定防火対象物」と規定され(建築基準法でもホテルや旅館は、同様に「特殊建築物」と取り扱われます。)されていますので、防災上の警戒レベルが特に高くなり、当然火災報知機や避難器具などの設置基準が、より厳しくなります。

消防法/特定防火対象物/5項イ(複合用途の場合16項イ)
建築基準法/特殊建築物(ホテル旅館)

消防設備・防災工事|消防法

消防設備については、特に「自動火災報知設備」の費用がかかります。

特定小規模用(無線式)のもので数十万円程度(東京都内・小規模施設の場合、防災工事費は50万円前後~100万円程度がボリュームゾーンです。)

3階建て以上の建物については、本格的なもので(P型2級等)、100万円~数百万円が相場です。

自動火災報知設備の規制

自動火災消火設備とは、火災発生場所の感知器の信号を建物全体に警報音を伝えることができる設備のことで、単体の感知器を鳴らすだけの「住宅用火災警報器」とは異なります。大きなホテルやや学校にある非常ベルと連動している設備を想像してみてください。

※開設すると大変長くなるので今回場概要のみですが、詳しくは、こちらの過去記事をご覧ください「消防法令について(特定小規模施設用自動火災報知設備のはなし)

そもそも、小規模な旅館や簡易宿所については、自動火災報知設備の設置義務はありませんでしたが平成27年に規制が強化され、すべての宿泊施設(旅館でもホテルでも簡易宿所でも同様です)に設置が義務付けられました。この時に登場したのが無線式「特定小規模用自動火災報知設備」です。

特定小規模施設用設備の要件 「特定小規模施設における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令(平成二十年総務省令第百五十六号) 」で規定されています。

平成二十年総務省令第百五十六号
特定小規模施設における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令

消防法施行令(昭和三十六年政令第三十七号)第二十九条の四第一項の規定に基づき、特定小規模施設における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令を次のように定める。
(趣旨)
第一条 この省令は、消防法施行令(昭和三十六年政令第三十七号。以下「」という。)第二十九条の四第一項の規定に基づき、特定小規模施設における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等(同項に規定するものをいう。第三条第一項において同じ。)に関し必要な事項を定めるものとする。
(用語の定義)
第二条 この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 特定小規模施設 次に掲げる防火対象物であって、消防法施行規則(昭和三十六年自治省令第六号。以下「規則」という。)第二十三条第四項第七号ヘに規定する特定一階段等防火対象物以外のものをいう。
イ 次に掲げる防火対象物のうち、延べ面積が三百平方メートル未満のもの
(1) 令別表第一(二)項ニに掲げる防火対象物
(2) 令別表第一(五)項イ、(六)項イ(1)から(3)まで及び(六)項ロに掲げる防火対象物
(3) 令別表第一(六)項ハに掲げる防火対象物(利用者を入居させ、又は宿泊させるものに限る。)
ロ 令別表第一(十六)項イに掲げる防火対象物のうち、次の防火対象物の用途に供される部分が存するもの(延べ面積が三百平方メートル以上のものにあっては、規則第十三条第一項第二号に規定する小規模特定用途複合防火対象物(令第二十一条第一項第八号に掲げる防火対象物を除く。)であって、次に掲げる防火対象物の用途に供される部分(同項第五号及び第十一号から第十五号までに掲げる防火対象物の部分を除く。)及び規則第二十三条第四項第一号ヘに掲げる部分以外の部分が存しないものに限る。)
(1) 令別表第一(二)項ニに掲げる防火対象物
(2) 令別表第一(五)項イ、(六)項イ(1)から(3)まで及び(六)項ロに掲げる防火対象物
(3) 令別表第一(六)項ハに掲げる防火対象物(利用者を入居させ、又は宿泊させるものに限る。)
ハ ロに掲げる防火対象物以外の令別表第一(十六)項イに掲げる防火対象物(同表(五)項イ及びロに掲げる用途以外の用途に供される部分が存せず、かつ、(五)項イに掲げる用途に供される部分の床面積が三百平方メートル未満のものに限る。)のうち、延べ面積が三百平方メートル以上五百平方メートル未満のもの
二 特定小規模施設用自動火災報知設備 特定小規模施設における火災が発生した場合において、当該火災の発生を感知し、及び報知するための設備をいう。
(自動火災報知設備に代えて用いることができる特定小規模施設用自動火災報知設備)
第三条 特定小規模施設において、令第二十一条第一項及び第二項の規定により設置し、及び維持しなければならない自動火災報知設備に代えて用いることができる必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等は、特定小規模施設用自動火災報知設備とする。
2 前項に定める特定小規模施設用自動火災報知設備の設置及び維持に関する技術上の基準は、次のとおりとする。
一 特定小規模施設用自動火災報知設備の警戒区域(火災の発生した区域を他の区域と区別して識別することができる最小単位の区域をいう。)は、令第二十一条第二項第一号及び第二号の規定の例によること。
二 特定小規模施設用自動火災報知設備の感知器は、次のイからハまでに掲げる場所の天井又は壁(イに掲げる場所(床面積が三十平方メートル以下のものに限る。)の壁に限る。以下この号において同じ。)の屋内に面する部分(天井のない場合にあっては、屋根又は壁の屋内に面する部分)に、有効に火災の発生を感知することができるように設けること。
イ 建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第四号に規定する居室及び床面積が二平方メートル以上の収納室
ロ 倉庫、機械室その他これらに類する室
ハ 階段及び傾斜路、廊下及び通路並びにエレベーターの昇降路、リネンシュート及びパイプダクトその他これらに類するもの(第二条第一号イ(1)、ロ(1)及びハに掲げる防火対象物の内部に設置されている場合に限る。)
三 特定小規模施設用自動火災報知設備には、非常電源を附置すること。
3 前項に定めるもののほか、特定小規模施設用自動火災報知設備は、消防庁長官が定める設置及び維持に関する技術上の基準に適合するものでなければならない。
附 則

(抄)

出展:電子政府の総合窓口 https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=420M60000008156&openerCode=1

ここでポイントなのは、安易ラインの個所で「特定一階段防火対象物を除く」という部分です。特定一階段防火対象物とは、消防法の規定で、

屋内階段が1系統しかなく、1階・2階以外の階に特定用途部分がある建物をいいます 。

この場合の特定用途とは、旅館業や民泊の部分のことで、具体的には、3階以上に旅館業や民泊(住宅宿泊事業)が存在するようなもののことをいい、こうした建物は火災の危険性が高いため、特定小規模施設用の基準は適応できないこととなっています(通達で一部例外あり)

したがって、特定一階段防火対象物とされる建物に取りつける自動火災報知設備については、通常のものを設置することとなります(無線式の特定小規模施設用は使用不可)。

施工例:

都内2階建木造 消防設備工事(特定小規模用) 80万円

都内木造3階建 消防設備工事(有線p型2級他) 300万円

特定小規模設備用については、このように住宅用とあまり変わらない価格で販売されていますので、施工費用が安く済むのが魅力です。ただし、上記の特定一階段防火対象物の制限にあたらない建物であっても、細かく区画されていて部屋数が多かったり(感知器の個数の制限があり、各メーカーにより異なりますが、最大で15~16個程度です。)、そもそも300㎡を超える場合には使用できませんのでご注意ください(例外あり)。

※特定小規模用 感知器 例

特定小規模施設用 BGW22127K 定温式スポット型 特種65℃[試験機能付][子器][1個] 自動火災報知設備 連動型 ワイヤレス感知器 パナソニック ▼警報

価格:10,260円
(2019/9/14 15:45時点)
感想(2件)

通常の自火報の感知器 例

通常の自火報の感知器(有線)
通常の自火報の感知器(有線)

その他、自動火災報知設備以外にも、誘導灯、誘導標識、非常照明、消火器、避難器具等を設置しなければならない場合がありますので、これらの設備の費用がかかると想定しておく必要があります。

耐火構造、防火区画設置工事|建築基準法

商簿ヴツ日以外にも、そもそも建物自体が、建築基準法に適合する必要があります。具体的には、階段や廊下などの防火区画の工事等が必要な場合があり、旅館、ホテル、簡易宿所などの宿泊施設は特殊建築物としての規制がかかりますので、小規模であつても、3階建て以上になると、こうした階段や共用廊下との防火区画の問題が出てくる場合があります。

防火区画についての参照

Wikipediaが分かりやすく書かれています。↓

防火区画 - Wikipedia

各自治体でも解説されていますが、神戸市のものが分かりやすいです。↓

http://www.city.kobe.lg.jp/business/regulation/urban/building/other/img/boukakukakusyuruihouhou.pdf

一例として上げますが、

耐火(準耐火)の壁(界壁)+防火扉(又は代替品)の場合、戸建て住宅の場合200万円~500万円くらい施工費用がかかる場合があります。以下、過去の実際の施行金額より(東京都、~200㎡、見積価格)

施工例:都内3階建木造 防火区画+消防設備工事 510万円

    都内4階建鉄骨 防火区画+消防設備工事 650万円

    都内3階建て木造 防火区画+消防設備工事 390万円

内装合時(水回り、リフォーム)

こちらについてはまちまちですが、自治体の要件や施設の規模によっては、水回り設備等を増強する必要があります。旅館業法の改正、衛生管理要領の改正により、各自治体保健所が規定する旅館業に係る設備の基準は緩和される傾向にありますが、一部自治体は、トイレゆ洗面所の個数要件を小規模であっても緩和していない場合がありますので、保健所ヒアリング時に、ここは重要なポイントなります。

また、フロントや従業員室についても同様で、物理的にこれらが必要な自治体については、設置工事が必要になることがあります。

なお、トイレ増設やシャワー増設についてはが、最低でも数十万円程度とお考えください。風呂を増設する場合は、100万円以上が一般的です。※廃棄物、設備のグレードなどにより価格は変わります。エアコン増設については、10万円~30万円程度/1台

家具、寝具

家具寝具については、中古で揃えたりという方もいますが、ベッドなどは、耐久性を考えると有名メーカーのものがよいでしょう。

サイト掲載用に写真映えを気にする方が多いですが、少なくともベッドのマットレスはこだわった方がよいと思います。 シモンズ、フランスベッド等は中古でもそれなりに値段が高く、家具トータールでコーディネートすると100万円以上かかる場合も多く、よく検討してください。

なお、インテリアのコーディネートは、信頼できる業者であればよいのですが、すべて業者任せにするにしても、どのような製品を購入するのかを、ある程度、自分で価格を調べ(家具の価格は、建物設備や工事費と異なり、容易に検索可能ですので。)、自身でも情報を入手するのがよいと思います。楽天やアマゾンで検索する程度でも十分で、購入する家具の大体の価格は把握しましょう。

以上、内装や設備にかかる費用(消防設備、放火設備ほか)を解説しましたが、次回は、住宅宿泊管理業者などの「 代行費用 」を解説します。

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