消防法令について(特定小規模施設用自動火災報知設備のはなし)

民泊と自動火災報知設備について(詳報)

最近、特区民泊や簡易宿所許可の件で、消防関係法令について調べたり、各地の対象物件の所在する消防署にヒアリングする機会が多いので、久しぶりに消防法についてのお話をします。

以前にもお話しましたが、民泊をやるには、「特区」であれ、「簡易宿所」であれ、消防法に適合していることが前提となります。

小規模な施設については、いろいろな緩和措置がありますが、自動火災警報装置の設置義務は、本年度から規制が強化されていますので、現行法令では避けて通ることができません。

※「自動火災報知設備」とは、火災発生場所の感知器の信号を建物全体に警報音を伝えることができる設備のことで、単体の感知器を鳴らすだけの「住宅用火災警報器」とは異なります。

 自動火災報知設備の設置基準の強化(消防法施行令第21条第1項)

平成27年4月1日から自動火災報知設備を設置しなければならない防火対象物に、延べ面積が300㎡のものが追加されました。つまり、

①消防法施行令別表第1(5)項イに掲げる防火対象物

  →旅館、ホテル、宿泊所その他これらに類するもの

②消防法施行令別表第1(6)項イ及びハに掲げる防火対象物(利用者を入居させ、又は宿泊させるものに限る。)

  →病院、診療所又は助産所や老人ホーム、デイサービスなど

つまり、小規模な施設でも、人を宿泊させる施設においては、自動火災報知設備の設置が義務化されました。

 

特定小規模施設用自動火災報知設備の設置対象

同時に、特定小規模施設用自動火災報知設備を設置することができる防火対象物についても、規定が追加され、防火対象物で延べ面積が300㎡未満のものが、本格的な設備ではなくても、無線連動式などの自動火災報知設備の設置で足りるようになりました。

これは、先に述べた、規制の強化による対象施設の拡大に伴う措置であると考えられます。

具体的には、「特定小規模施設における必要とされる防火安全性能を有する消防の用に供する設備等に関する省令の第2条」に記載があります。内容は、

①消防法施行令別表第1(5)項イに掲げる防火対象物

②消防法施行令別表第1(6)項イ及びハに掲げる防火対象物(利用者を入居させ、又は宿泊させるものに限る。)

③防法施行令別表第1(16)項イに掲げる防火対象物のうち、1又は2に掲げる防火対象物の用途に供される部分が存するもの

と記載があり、つまりは、平成27年4月1日の改正により新たに自動火災報知設備の設置が義務付けられた、300㎡未満のホテルなどについては、簡易型の自動火災報知設備(特定小規模施設用自動火災報知設備)で構わないということです。

省令はこちら

 

(2)項ニ又は(6)項ロの防火対象物が特定小規模施設用が可なのですが、延面積が300㎡未満(特定1階段等防火対象物を除く。)という条件になっています。
つまり、特定1階階段等防火対象物がポイントで、避難階以外の地階又は3階以上の階に特定用途部分があり、当該階から避難階又は地上に直通する階段が1(屋外階段等を除く。)のものをいう。

とありますから、3階以上の階に宿泊施設があると、ほぼ必要ということになります。

以下、川崎市の解説です。

http://www.city.kawasaki.jp/840/cmsfiles/contents/0000019/19783/shoukibozikahou.pdf

 

自動火災報知設備を設置できるのは消防設備士

自動火災報知設備を設置できる資格としては、消防設備士という資格があります。設備士には甲種・乙種があり、工事ができるのは甲種のみとなります。

このうち、自動火災報知設備を取り付けできるのは、甲種4類という資格になります。ただし、簡易型の自動火災警報設備については、配線工事がなければ、消防設備士ではなくとも設置が可能な場合があります(厳密にいうと受信機部分は、配線が必要なため、少なくとも電気工事士の資格は必要です(電気工事は一般の人が行ってはなりません))。

メーカーによっては無線で連動して警報を鳴らすため、配線自体がないからです。まあ、壁からの距離とか要件がありますので、甲種4類の設備士に取り付けを依頼するのが望ましいとは思います。

金沢市消防局のこの記載がわかりやすいと思います。

ただし、危機を設置した時の届出、検査を受ける義務や定期点検については通常の自動火災報知設備(小学校とかに設置されているような本格的なもの)と同様です。

↑(特定小規模施設用自動火災報知設備)見た目は家庭用のものとほとんど変わりません。届出時は、家庭用ではなく、これも「自動火災報知設備」として適合証を取ることができます。

特定小規模施設用自動火災報知設備の感知器の設置場所

感知器の設置場所は、各自治体の火災予防条例で定められてますが、管轄する自治体で微妙に違います。

寝室および寝室がある階の階段には、原則として煙式を設置、浴室、トイレ、洗面所、納戸などはつけなくてもよい(義務化の対象外)となっています。

ただし、気をつけなければならない場合、自治体での規制ですが、例えば川崎市では、2㎡を超える収納には設置義務が記載されています

↓参考:川崎市の基準の抜粋です。

一般的に1間(いっけん181.8㎝)の押し入れであれば、(通常1.8m×0.9mです)2㎡もないので取り付け不要ですが、ウォークインクローゼットの場合は注意が必要です。

なお、押し入れは居室ではないので、すべての収納に取り付けなければならないというような業者がいれば、その法的根拠が何なのかを確認する必要があると思います。不要な場所にも、あたかも取り付け義務があるかのように言って、たくさん報知機を設置しようとする業者もいますので、注意してください。

特定小規模施設用自動火災報知設備の設置後の届出

●消防用設備等(特殊消防用設備等)設置届出書

●防火対象物使用開始届出書

については、設置者、建物の使用者に届出義務があります。工事をした業者が届出を行う場合もありますが、少なくとも、防火対象物使用開始届出書には、本人が届出義務者であるので、取付業者が代行するような場合で法外な料金を取るような場合は、ご注意ください。

本人でも申請できますし、行政書士法の規定により行政書士が書面作成、提出できますので、お困りの際はご相談ください。

https://i1.wp.com/www.fesc.or.jp/ihanzesei/data/images/illust/tatemono/a30_l.gif?resize=450%2C296

※なお、特区民泊や簡易宿所の申請においても、サイトの運営事業者や代行業者が民泊関連の申請書や添付書類の作成を代行して行うことは、行政書士等の有資格でないと行うことができませんのでご注意ください。現在、民泊に関しては、代行業者を取り締まる法律はありませんが、無許可で申請書類を作成し金銭を授受することは、官公所へ提出する書類の作成を規定した行政書士法第1条の2に抵触しますので気をつけてください。行政書士法に限らず、無許可での有料送迎は「白タク」行為ですから道路運送法に、無許可での有料クリーニングサービスはクリーニング業法に抵触しますので、知らず知らずのうちに法令に抵触しないようにご注意ください(現在、旅館業法については、多めに見られているかもしれませんが、その他の法令については、そうとは言い切れませんので)。許認可についてお困りの際は、行政書士までお問い合わせください。

※参考 消防法令におけるホテル旅館と共同住宅(マンション)との主な違い

  ホテル旅館 共同住宅(マンション)
自動火災報知設備
(利用部分等の割合などにより免除規定あり)
原則としてすべての部分に設置が必要(300㎡未満は特定小規模施設用で可)
延べ床面積500㎡以上は必要
11階建以上の場合は11階以上の階に必要
スプリンクラー
(防火区画された構造など免除規定あり)
延べ床面積600㎡以上
4階から10階で1500㎡以上の階
階数が11階以上
地階・窓のない階で1000㎡以上
 
なし
消防へ通報する火災報知設備
(消防署への距離などに依る免除規程緩和措置あり)
延べ床面積500㎡以上
延べ床面積1000㎡以上
誘導灯・誘導標識(施設の規模や視認性(明らかに避難路がわかる場合など)免除規定あり)
全て
地階、無窓階、11階以上の階
消防設備の点検
点検2回/年、報告1回/年
点検2回/年、報告1回/3年
防火管理者の設置
収容人数30人以上
収容人数50人以上
 
 
 

 
 
 
 
 

 

友だち追加数@zam5537x

Facebookはこちら   

コメント