世界の観光客数と日本の経常収支 2018年

菅義偉官房長官は2019年12月7日「各地に世界レベルのホテルを50カ所程度、新設することをめざす」と述べ、訪日外国人客受け入れをさらに推進するため、高級ホテル建設を後押しする考えを(政府府として)示しました。

政府主導で行うという意思表示なのかどうなのか意図はよくわかりませんか、いづれにしてもホテル不足、特に高級なホテルが不足しているという認識なのでしょう。

日本の経常収支、貿易収支と観光

さて、かつて加工貿易の工業立国として名を馳せた日本としては、「水もの」である観光に依存するのは、経済政策としては、なんとも消極的に思えますが、統計的には、観光重要は無視できないウエイトになっています。

現在の日本の貿易収支を見ると、次のようになっています。

※この表の数値については、令和元年12月9日に公表されている過去のデータ(財務省)から作成しました。

2018年 単位:億円
(  )内は前年
前年比増減率(%)
経常収支192,222(226,067)▲14.9
貿易収支11,981(49,113)▲75.6
輸出812,387(772,535)5.1
輸入800,405(723,422)10.6
第一次所得収支208,533(205,131)1.6
貿易サービス収支3,919(42,206)▲90.71
サービス収支▲8,062(▲6,907)16.7

出典:財務省「国際収支状況(2018データ)」を基に当サイトで作成 2019.12.9現在

なお、2017年を2018年が下回った主因は、原油高の影響で輸入額が増加し、貿易黒字が大きく減少したことが要因ということですが、

貿易サービス収支の結果だけ見ると、3,919億円、貿易収支で11,981億円つまり、1.1兆円ですから、以下のような外国人旅行客からの収入も無視できない数値となつていますので、政府が力を入れるのももっともです。

以下、観光庁資料の抜粋ですが、訪日外国人の旅行消費額が4兆円をこえていますが、

2018年の海外からの旅行・観光の収支は+2.3兆円(外国人旅行者の日本での消費から日本人の海外旅行分を相殺した値です。)です。これば、経常収支のうち、12%くらいは貿易ではなく、観光で稼いでいるともいえそうです。

世界の観光重要|日本との国際比較

最後に、世界各国の観光客数の照会ですが、日本の旅行者の受け入れ数を見ると、世界12位となっています。

国土の広さ(世界61位(国土の面積はイギリス、ドイツなどを上回っています。)、EEZを含む順位は6位)と観光資源やインフラを考慮すると、現在香港単体と同レベルですから、もう少し伸びしろはあると考えられます。

下表は、観光庁公表のが2017年の世界の旅行者受入数です。

いかがでしたでしょうか?

国内で商売をしていると、こうした統計データは公表はされているものの、どうしても目先のことに集中し視野が狭くなりがちです。

たまには、大きな視点から考えて、ビジネスの戦略に役立てていただければと思います。

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