民泊サービスの制度設計について
今後の民泊サービスについてですが、どこまで緩和されるかは、6月までには方向性がはっきりすると思います。
ただし、いったいどこまで規制緩和が行われるかは、不透明です。ひょっとしたら、規制緩和は4/1の旅館業法施行令改正と玄関帳場の要件緩和が規制緩和のすべてなのかもしれません。これを受けて、今後各自治体がどこまで緩和に踏み切るかということですね。
さて、今後のホームステイ型民泊の方向性については、前回説明しましたが、代行業者、管理者についてはどうなるのでしょうか?
代行業者の今後
管理者とはいわゆる、代行業者のことで、民泊運営を代行する業者という意味合なのでしょうが、管理者を「登録」し、一定の義務を課すということになりそうです。管理者の定義はあいまいですが、民泊施設の要件はともかくとして、管理者を既存の法令または新法を制定して、
●利用者名簿●注意事項説明●苦情の受付●宿泊施設が違法でないことの確認などを担当させて、一定の管理を義務化することにより、旅館業法における事業者のような責務を負わせ、行政が民泊の状況を把握できるようにすることを想定しています。
仲介業者の今後
また、Airbnbのような仲介サイトの事業者については、旅行業法のような義務を課すようになるようです。ちなみに海外の業者で日本に拠点がないようなサイトについては、適法でない民泊を仲介した場合には、実名を公表するなどして、こうしたサイトに登録しないよう促すようです。
昨日、大阪で無許可民泊事業者の摘発がありましたが、おそらくは、4月1日の改正を受けてのもので、ある程度、取り締りを行い、許可を促すのかもしれません。
今後は、ホームステイ型は、日数などの条件付きで営業を可能とし、それ以外の家主不在の物件については、旅館業法の許可を取るよう促すようになるのではないでしょうか。代行業者が運営する物件については、ホームステイ型のように日数等の制限がかかるかどうかはわかりませんが、「契約違反の不存在の確認」と記載されていることを勘案すると、許可なし物件での営業は困難だと考えた方が合理的でしょう。
東京都大田区や大阪府のように、特区条例が施行されているような地域では、規制緩和の動向などを考えずに、特区民泊で許可を取得することが合法化への近道ではないでしょうか。