官公庁に「宿泊旅行統計調査」という統計調査があります。
この統計は、各宿泊施設別の宿泊者数や宿泊姿勢の稼働率の統計を取ったもので、現在昨年12月までのデータが公表されています。
これによると、延べ宿泊数は、前年よりもやや多い数値で推移していますが、特徴的なのは、日本人の宿泊数は少し減少し外国人が倍くらいに増えているということです。
詳しくは、官公庁の統計を直接見ていただければ、解説付きでとてもわかりやすいのですが、特徴的なのが、施設タイプ別の稼働率です。東京を例にすると、27年11月の施設別稼働率は、こんな感じです。
東京 | 全国 | |
全体 | 83.3% | 62.1% |
旅館 | 61.0% | 39.3% |
リゾートホテル | 75.3% | 57.5% |
ビジネスホテル | 87.2% | 77.2% |
シティホテル | 86.3% | 82.1% |
簡易宿所 | 62.1% | 24.6% |
全国でもビジネスホテルの稼働率はそれなりに高くなっています。そして、東京では、特に簡易宿所と旅館の全国平均とのかい離(差)が顕著です。言うまでもなく、そもそも東京に宿のキャパシティが足りないということを意味しています。
ちなみに稼働率が9割ということは、統計は月間稼働率を表しているので、日によっては、100%の日もあるでしょうから、泊まるところがない日があるということになりますね。出張で東京に来るのも宿探しが一苦労ということになります。
簡易宿所というのは、カプセルホテルなんかも入り、ビジネスや観光ユースとしては一般的といえない施設もあるので、東京・大阪で民泊施設がこれほどはやるのはもはや必然となってきているのかもしれませんね(近い将来、この統計に「民泊」というカテゴリーが入るかもしれませんね。たぶん、簡易宿所の中に加えられるのが妥当なのかも取れませんが。)。
最後に、民泊に批判的な方も多いと思いますが、民泊推進派・反対派にかかわらず、まずは正確なデータを知り、現状を把握したうえでの具体的議論が必要だと思いますね。
次回は(近いうちに)、外国人延べ宿泊者数のうち、出身地別の統計をご紹介したいと思います。