定期借家について

定期借家制度とは何かお判りでしょうか?

文字通り、期間を定めた賃貸借のことですが、これは1日でも100年でもよいのでしょうか?

さて、そもそも定期借家制度というものですが、普通の賃貸借契約の場合、「正当事由」がある場合でなければ、賃貸人(貸主)から契約の更新を拒絶することや解約申入れができないこととされていました。対して、契約で定めた期間が満了することにより、賃貸借が終了する建物賃貸借のことを定期建物賃貸借契約と呼びますが、昔は、こちらの方が例外で、建物を取り壊すとかの理由がなければ、基本的には、定期借家は認められないこととなっていました。

法律的には、借地借家法29条に「定期建物賃貸借は1年未満の建物賃貸借を期間の定めのないものとみなす」と規定されていました。つまり、借りている方の権利が強かったわけです。大家さんは、借主に居座られるリスクを負っていました。

ところが、現在は、定期建物賃貸借は法第38条に規定されていますが、「公正証書による等書面によって契約」すれば、1年未満の定期借家契約を締結できることになっています。つまり、定期借家の期間は1日でもよいこととなります。

この規定は、平成11年の定期借家法の大改正により加わったのですが、古いことなので記憶が定かではありませんが、想像するに、マンスリーマンションやウィークリーマンションの台頭も関係あるのではないでしょうか。

ただし、あまり短い契約については、借地借家法上の借主の権利(更新したいなど)は主張できないということになっていますので、民泊やウィークリーマンションでは借家契約なのか宿泊契約なのか定義があいまいなところではありますね。

※今回の件については、今後、本ブログと民泊ナビのコラムで掘り下げて民泊を例にし説明していきたいと思います。

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