前回の続きです。
さて、私は20代後半で、独学で行政書士試験に合格をしたんですが、いろいろな事情が重なり、なかなか独立開業まで踏ん切りがつかず、試験合格から十数年サラリーマンとして働いていました。
ただ、サラリーマン時代、ひょんなことから不動産に興味を持ちました。きっかけは忘れましたが、不景気になるにつれ、銀行の金利がどんどん下がって行ったことも大きな要因です。
2000年ごろに「金融ビックバン」というものがありましたが、これは、一言で言うと、銀行、証券、保険の垣根がなくなりましたが、不景気(インフレ不景気ではなくデフレですね)と相まって、金利はものすごく下がりました。
経済が熟成すると、デフレ+低金利+低成長に陥るのかもしれませんが、とにかく、金利が下がり始めてきて、預金を預けても投信にしても手数料分損をするというのがこのころから当たり前となってきました。バブルのころの郵便局のスーパーMMF(マネ―マネージメントファンドでしたでしょうか(安全債券型投信ですね))が10%くらい。90年代でも大口定期預金は1パーセント以上が普通でした。昔は宝くじが1億当たれば金利で食っていけるかななんて思ったものです。
話は逸れましたが、そのころから、庶民にとって、給料の下落よりも不動産の下落や金利の低下のメリットの方がはるかに大きかったので、サラリーマンでもマンションが都心に買えるようになってきました。いわゆる「都心回帰」現象ですね。
さて、若かった私は、不動産を、特に中古マンションをうまく購入するには、民法などの一般的な法律だけではなく、宅建業法、区分所有法、借地借家法などの個別の法律について詳しくならなければならない。そうでなければ、とてもじゃないけど物件の真贋は見抜けないし、プロである不動産業者に太刀打ちできないと考えたのです。
この考えがよかったのかどうかは、今となってはわかりませんが、とにかく、このころ一気に知識を吸収しました。30歳くらいだったでしょうか。
その後、習得した知識を生かし、旧耐震のマンションを購入しスケルトンリフォームしたり、その物件を売却したりで、建築的な目も養っていきました。今となっては、このような経験が、今の仕事にとてもプラスになっている気がします。
なお、行政書士の話しに戻りますが、不動産とは別に、法律を使わなければ解決できないというか、法律をツールとして利用する場面に実際に遭遇したからこそ今の私があると思います。その話はまた次回….