民泊にかかる費用7選-7|税金等

今回で最後になりますが、民泊のコストで、開業当初は特にかからないのですが、考慮べき重要な因子で、特に、事業者以外(物件オーナーなど)にも関係があります。

さて、民泊(特に旅館業としての宿泊サービス)は事業の収入ですので当然に所得税がかかります。そして、建物自体にも固定資産税が課されますので、こちらのコストも無視できません。開業当初は意識していなくても、1年経過すると嫌でも認識させられます。

とくに固定資産税は、ホテルや旅館の場合は、住宅ではないと大幅アップしてしまう可能性がありますので、ご注意ください。

(※以下、税金などを解説しますが、一般的なことですので、個別具体的なことについては、税理士、税務署にご相談ください)

民泊や旅館業に係る税金は?

事業に係る税金としては、個人では、所得税、住民税、法人では法人税、自彊規模が拡大していくと消費税も考える必要があります。また、以外と忘れがちなのは地方税である「固定資産税」ですね。

民泊にかかる税金1|所得税

民泊については、宿泊サービスを提供する事業です。事業を行って年度が終了すると確定申告を行い、税金を納付しなければならず、これは、他の事業と何ら変わることがありません。サラリーマンの副業であっても同様です。

個人事業で行う場合は、事業所得となり、所得税(所得税が課されるということは住民税や個人事業税も関係あり)が課され納税義務が生じることとなるでしょう。※サラリーマンの副業の場合、事業所得なのか不動産所得(不動産賃貸収入)なのかという意見はありますが、こちらは税理士や税務署にご確認・ご相談ください。

法人で経営する場合は、法人税(こちらについても法人住民税、法人事業税、法人地方特別税も関係あり)が課されることとなるでしょう。

個人と法人を比較すると、売り上げや利益が増えてくると、法人で行うメリットが大きくなってくるでしょう。

●所得税(個人事業の場合)の税率  参考

課税される所得金額税率    
195万円以下5%
195万円〜330万円10%
330万円〜695万円20%
695万円〜900万円23%
900万円〜1,800万円33%
1,800万円〜4,000万円40%
4,000万円〜45%

●法人税の税率 参考

課税される所得金額税率   
800万円以下15%
800万円以上23.9%

民泊に係る税金2|固定資産税

自己所有物件の場合は、固定資産税がかかりますが、旅館業の場合は、事業用の建物のため、住宅用建物の優遇はなくなります。→土地の固定資産税の減額措置はなくなります。過去記事参照「民泊とコストの関係(第1回)固定資産税

簡単に解説すると、住宅用の建物の敷地である土地については、面積に応じて、減免措置があり、わかりやすく言うと土地の評価額を1/3~1/6に減免することにより、納税額を下げているのです。

固定資産税は所有者オーナーに掛かる税金のため、賃貸の場合は、影響がない部分が大きいのですが、オーナー側からすると、突然、固定資産税が高くなってしまうので、注意が必要です。

なお、区分所有建物(分譲マンションなど)の場合、土地の部分は区分所有者全員の共有物で、割合で按分していることになっているため、居住用から旅館業に転用した場合、その部分の固定資産税アップが全体に影響が出る場合があり、他の関係のない区分所有者にも影響が出る可能性があるので、さらに注意が必要です。

民泊に係る税金3|消費税

事業規模が大きくなると消費税も関係してきます。消費税とは、 課税期間(個人の場合は暦年(1/1-12/31までの1年)、法人の場合は事業年度で算定し、簡単に言うと、1千万円超の売上があると消費税の確定申告が必要になってきます。(厳密には、基準期間(個人は前々年、法人は前々事業年度)の課税売上高が1000万円超の場合は、消費税の納税義務者になる)

これは、所得税とは計算がことなり、所得(利益部分)ではなく売上を基準にしており、経費はともかくとしして、打つているモノの単価が高い事業は観点に対象となるのでご注意ください。旅館業の場合、1日3万円の売上があれば、30,000円×365日=10,950,000円となり、1千万円を超えてしまいますので、ご注意を!

税理士、会計処理

民泊は事業(ビジネス)であり、当然ながら個人であれば所得税、法人であれば法人税がかかります。確定申告を行い、基礎控除を得るためには、簿記により会計処理を行い、また経費の証拠たる領収書などを保存しなければなりませんので、収益額が多くなると税務申告や会計処理を税理士や経理代行会社等に依頼することが一般的で、月々数千円~数万円、確定申告時に別途、費用がかかる場合があります。民泊や旅館業に詳しい税理士に依頼して下さい。

以上、7回(プロローグと番外編を含めると10回)にわたり民泊にかかる費用と題してお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか?

従来、民泊は副業とし日本に浸透し、住宅宿泊事業法の施行と同時に、一気に増加してきましたが、同時に改正された旅館業法に基づき、旅館業(旅館ホテル又は簡易宿所)の許可を取得する事業者も増えています。

住宅宿泊事業であれば、年間180日の営業制限があり、賃貸住宅の延長とも言えなくはないですが、旅館業の営業許可を取得するとなると、一般のビジネスホテルや温泉旅館と何ら変わらない宿泊事業で、明らかに投資の範疇を超えています。

したがって民泊は純然たる投資ではなく、「事業」と認識し、開業当初から、イニシャルコスト、ランニングコストを意識しでいただければと思い、10記事程、ご紹介させていただけました。民泊事業を行う民様のご参考にになればと思います。

※今後も当サイトでは、民泊、宿泊、観光関連ビジネスの情報を発信していきますので、よろしくお願いいたします。

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