渋谷行住宅宿泊事業の規制大幅強化 2026.7.1から

渋谷区の住宅宿泊事業について、2026年7月1日より大幅に規制が強化されますイカ用途地域ごとにどのように変更されるかまとめましたのでご確認ください。

渋谷区 住宅宿泊事業 用途地域別規制一覧

令和8年3月26日公布・令和8年7月1日施行(新規届出分から適用)

用途地域改正前(〜2026.6.30)改正後(2026.7.1〜)変更ポイント
■ 制限区域(従来から対象)
第1・2種文教地区年間約63日のみ可
平日(月午後〜金午前)営業禁止
夏休み・冬休み等を除く
年間約63日のみ可(同じ)
制限期間は変更なし
特例要件を厳格化
旧:半径100m以内に自宅or管理業者事務所
→新:同一建物内・敷地内・隣接する自宅のみ(管理業者事務所は不可)かつ管理居室5室以下
第1・2種低層住居専用地域年間約63日のみ可
同上の制限期間
年間約63日のみ可(同じ)特例要件の厳格化(文教地区と同様)
家主居住型・個人のみが180日特例を利用可能
第1・2種中高層住居専用地域年間約63日のみ可年間約63日のみ可(同じ)特例要件の厳格化(同上)
■ 新規追加の制限区域(2026.7.1〜)
第1・2種住居地域年間180日まで可
特段の日数制限なし
年間約63日のみ可
制限区域に新規追加
家主居住型のみ180日特例
▼ 最大の変更
住居地域が新たに制限区域へ追加。不在型民泊は事実上排除。家主居住・同一建物内限定の特例のみ
準住居地域年間180日まで可年間約63日のみ可
制限区域に新規追加
同上。幹線道路沿い等の準住居地域も対象に
■ 制限なし区域(改正後も対象外)
近隣商業地域年間180日まで可
日数制限なし(法定上限のみ)
年間180日まで可(変更なし)制限区域対象外のまま。ただし手続き強化(事前周知60日前・廃棄物契約書提出等)は適用される
商業地域年間180日まで可年間180日まで可(変更なし)同上。渋谷・原宿・恵比寿等の中心商業地域は引き続き日数制限なし
工業系地域・その他住宅宿泊事業 届出自体が困難同左用途上、住宅として利用できる場合のみ届出可

商業地域・近隣商業地域(2026.7.1以降)

手続き負担の大幅増加(周知期間:7日前→60日前

従来7日前でよかった周辺住民への事前周知が、60日前までの実施が義務付けられた。商業地域といえども新規届出には最低60日以上の準備期間が必要となり、事業開始スケジュールが大幅に制約される。 根拠:改正条例(令和8年3月26日公布)「2 手続きの強化」

廃棄物処理業者の確保が義務化(届出要件の厳格化)

廃棄物処理業者との契約書写しの提出が必須となった。渋谷区では家主不在型の民泊ごみを区収集に出せない制度があり(住宅宿泊事業の実施に伴って生じた廃棄物の処理に関する要綱)、商業地域の小規模物件では排出量が少なく業者が契約を断るケースがあり、開業まで進められない実態がある。

根拠:改正条例「提出書類に廃棄物処理業者との契約書等の写しを追加」、渋谷区廃棄物要綱

周辺住民への対面周知の困難性(商業テナントが混在する建物)

事前周知を「対面」で行うことが義務付けられており、商業ビル・雑居ビルでは居住者の特定や面会自体が困難。会えない場合は繰り返し訪問が必要で、実質的なコスト・時間が膨大となる。

根拠:条例第7条・規則第6条、事前周知内容記録書の区への即時提出義務(改正後)

住居地域・準住居地域からの物件集中による競争激化と供給歪み

住居地域・準住居地域が制限区域となったことで、事業者が商業地域・近隣商業地域に物件を集中させる誘因が生まれる。住宅が商業地域内に少ない渋谷区の特性上、供給可能物件が極端に限定され、適法物件の家賃・取得価格の高騰につながるリスクがある。

根拠:渋谷区都市計画図(商業系用途地域は渋谷駅周辺・恵比寿等に集中)、民泊新法180日上限との関係

経過措置の期限管理リスク(2026.6.30までに届出完了が必要)

2026年6月30日以前に届出を完了した物件には旧条例が引き続き適用される経過措置がある。

しかし、6月23日までの事前周知・6月30日までの書類補正という極めてタイトなスケジュールで、手続き漏れが生じた場合は改正後の厳格要件(60日前周知など)が即時適用される。商業地域の事業者もこの期限管理に失敗すると大きな不利益を受ける。 根拠:改正概要「3 経過措置」「4 事業者の方へ」

【経過措置】令和8年6月30日以前に届出済みの物件には、7月1日以降も改正前の条例が適用されます。改正後の条例は2026年7月1日以降の新規届出分から適用。
【特例(180日)の要件変更】旧:半径100m以内に自宅 or 管理業者事務所 → 新:同一建物・敷地内・隣接する自宅のみ(管理業者事務所は不可)かつ管理居室5室以下。

渋谷区 旅館業法施行条例 改正概要

次に旅館業についてもですがこちらも同様に規制が強化されます。

令和8年2月18日議案提出・令和8年7月1日施行(新規許可申請分から適用)

改正項目改正前(〜2026.6.30)改正後(2026.7.1〜)実務上の影響
■ 新規許可申請前の手続き(第1条の2)
標識設置・住民説明会規定なし 旅館業法の許可申請のみで可義務化(新規申請分) ① 標識を敷地内に設置し区へ届出
② 住民等への説明会を実施し区へ報告
③ 住民から説明を求められたら誠実対応
許可申請前に説明会が必須となり、開業までのリードタイムが大幅に増加。反対運動の温床にもなりうる。
■ 運営中の義務(第6条第1項)
営業従事者の常駐常駐義務なし 玄関帳場代替設備(スマートロック等)による無人運営が実質可能施設内等への常駐を義務化ただし「区規則で定める要件を満たす場合」は除外あり(緩和規定)
(第7条第1号ただし書)
最大の変更点。無人運営・リモート管理型の小規模宿泊施設が実質困難に。
玄関帳場(フロント)なしの場合の表示義務任意(ガイドライン程度)義務化(第6条第1項第5号) 施設名称・所在地・緊急連絡先等を公衆の見やすい位置に表示。
既存施設も7月1日以降に適用
既存施設も対象。標識未掲示は条例違反になる。渋谷区から既存営業者へ通知文書を発出済み。
住民・町会への誠実対応義務規定なし義務化(第6条第2項) 周辺住民・町会等から協議や説明を求められた場合、誠実に対応する義務。
既存施設も対象
対応を怠ると行政指導・改善命令の対象となりうる。記録保管も実務上必要。
■ 情報公表(第12条・新設)
許可施設の公表公表規定なし区長が公表(義務) ① 許可番号 ② 許可年月日 ③ 名称
④ 所在地 ⑤ 連絡先 ⑥ 区長が必要と認める事項
施設情報が区のウェブサイト等で公開される。プライバシー・競合対策の観点から事業者の懸念大。
■ 経過措置
既存許可施設への適用項目によって異なる 【新規申請分のみ】標識・説明会、常駐義務
【既存施設も対象】フロントなし表示義務、誠実対応義務、情報公表
既存許可施設でもフロント表示・誠実対応・情報公表は即時適用。常駐義務は新規申請のみ(現時点)。

【住宅宿泊事業(民泊)との対比】 民泊は「届出制(旅館業法の許可不要)・年間180日上限・用途地域による日数制限」という構造。旅館業は「許可制・日数上限なし・用途地域で建築可否が決まる」という構造。今回の改正で民泊の制限区域が拡大したことで、「旅館業に転換すれば無制限に営業できる」という逃げ道に対して、常駐義務・説明会義務という高いハードルが設けられたのが改正の本質です。

渋谷民泊関連規制強化イメージ

以上、住宅宿泊事業と旅館業の規制強化についてまとめました。開業しようとする建物が、商業地域・近隣商業地域である場合が、従来通り住宅宿泊事業が可能ですが、その他の地域では、住宅宿泊事業も旅館業もかなり規制が強化されましたので、ご検討の再、参考にしていただければと思います。

お問い合わせ・ご相談

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