よく、民泊サイトは旅行業法の登録を受けていないので、無許可営業ではないかということがいわれていますが、今回は旅行業について、法律的な側面から解説していきます。
旅行業とは
旅行業の定義は、旅行業法第2条第1項に規定されていますが、
をいいます。
旅行業または旅行業者代理業者を営もうとする者は、国土交通大臣が知事の登録を受けなければなりません。
一定の行為(旅行業務)とは?
登録行政庁への登録
旅行業者の登録要件
①定款、法人登記簿の目的に旅行業当の文言があること
●旅行業→「旅行業」又は「旅行業法に基づく旅行業」などの記載
●旅行業者代理業の場合→「旅行業法に基づく旅行業者代理業」
②基準資産額について(旅行業法施行規則3条、4条)
上記の表の通りです。
※年間取引額が第2種は7億円未満、第3種は2億円未満、地域限定は5,000万円未満の場合は分担金を旅行業協会の会員となり安価な分担金で登録することも可能です。ただし、それでも最低60万円必要です。旅行業者代は基準資産額要件はありません。
③旅行業務取扱管理者の選任(旅行業法11条の2)
旅行業務取扱管理者とは、旅行業務 取扱管理者試験に合格した者であり旅行業に必要不可欠な資格です。
総合又は国内の旅行業務取扱管理者の選任が必要、
海外旅行は、必ず総合旅行業務取扱管理者の選任が必要です。
※1営業所につき1人以上の旅行業務取扱管理者(常勤専任)が必要。※ 旅行部門の従業員数が10名以上の営業所は、2人以上の旅行業務取扱管理者が必要となります。
民泊における旅行業法の問題
これは、そもそもあり方検討会での議論の前提となったものですが、民泊が旅館業法上の宿泊サービスに該当するならば、それを仲介するAirbnb等の仲介業者は旅行業の登録が必要ということになります。
罰則規定も重く、未登録営業が100万円以下の罰金ですから、旅館業法と比較してかなり重い罰則となっています。民泊サイトといわれるHomeAwayやAirbnb、中国系のサイトはどれも登録されていないようです。※なお、仮に民泊が宿泊ではなく借家だとしても、制約したら手数料を取っていますから、宅建業の免許が必要になりますね。
対して、HomeAwayの親会社のエクスペディア(エクスペディアホールディングス株式会社)、世界的な旅行サイトのBooking.com(Booking.com Customer Service Center Japan株式会社)については登録された正規の業者ということになります。
※東京都が旅行業者のリストを公開していますので参考に掲載します→http://www.sangyo-rodo.metro.tokyo.jp/sinsei/tourism/e0f91fd9ece1d717334ff898742a78af_1.pdf
旅行業法については、新法の中で新たに仲介事業者制度を設けることが検討されていますが、新法により適法となる公算が大きいと思います。ただ、要件などはまだ明らかにされていませんから、引き続き政府の動向を注視したいと思います。
※旅行業の登録も承ります。
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