無許可民泊の摘発リスク

民泊の摘発リスクについて、以前に比べ高まってきているように思えます。今回は民泊に関する摘発事例についてご紹介します。

旅館業法の法規制

無許可民泊は、旅館業法の定義である『宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業』に抵触します。

【ポイント】

●旅館業法とは?       有料で人を宿泊させる営業=宿泊サービスについての法規

●宿泊させるとは?     寝具を提供して施設に泊める

●営業とは?           業として=反復継続的に金銭を受け取って宿泊させる。

※旅館業法判断のその他のキーワード:生活の本拠(1月未満)、社会性(不特定多数)


旅館業法の罰則

六月以下の懲役又は三万円以下の罰金(旅館業法10条)刑です。

軽すぎるという指摘がありますが、罰金は刑法上、「一定の金額の剥奪を内容とする財産刑の一つ」のことです。捜査機関の履歴に残りますから、いわゆる「前科」になります。前科は法令上の用語ではありませんが、「裁判所により有罪の確定した判決又は、 略式命令手続きを受けた経歴」を指しますので、罰金であろうとも前科が付いたといえるでしょう。

金額が安かろうと、駐車違反などの交通違反の罰金(あれは単なる行政処分で、有罪になったわけではありません。)と同じに考えてはいけません。

保健所の権限

旅館業を管轄するのは各自治体の保健所です。都道府県知事(保健所設置市又は特別区にあっては、市長又は区長)は構造設備基準又は衛生基準に反するときは改善命令、許可の取消又は営業の停止を命ずることができるのです(旅館業法7条)。

それでは、なぜこれまでの摘発事例はいきなり警察に逮捕されたり、送検されたりしているのでしょうか?

なぜ、保健所は処分を下さないのでしょうか?

その理由は、簡単で、「無許可営業に対する処分権限が保健所にない」からなのです。

保健所は注意くらいすると思いますが、あくまで「行政指導」なのです。

つまり、営業許可を受けていれば許可の取り消しや業務停止などの行政処分が可能なのですが、許可を受けていなければ、知り消すべき権限がないため、いきなり警察の出番というわけなのです(自動車の免許に似ていますね。)。

したがって、たとえ罰金3万円だとしても、逮捕、送検されるリスクがありますから、このあたりを認識していただきたいと思います。

代表的な違反・摘発事例

●2016.7 東京都台東区

台東区で無許可⺠泊を旅館業法の許可を取得せずに営業したとして、

旅館業法違反の疑いで警視庁下谷署は7月13日ハイブリッド・ファシリティーズ(東京都港区、)と親会社ピクセルカンパニーズ(港区、ジャスダック上場)の2社及び、両社の役員男⼥6⼈が書類送検

5月1から21日までに外国人観光客4組を1泊4000円で繰り返し宿泊させた旅館業法違反の容疑で、役員らはいずれも容疑を認めているという。

警視庁によると、同じ物件で昨年5月から民泊仲介サイトでゲスト(宿泊客)を募集していたとのことで、1年間で約1300人を宿泊させ、計1323万円を売り上げていた模様。

送検に先駆けて、同社は6月、民泊からの撤退を表明しています。

●2016年4⽉ 大阪

⼤阪市で旅館業法の許可を得ずに旅⾏者を繰り返し宿泊させた疑いで、⼥性と夫婦の計3⼈が旅館業法違反で書類送検

●2015年11⽉ 京都

京都市右京区の賃貸マンションの44室中34室で、観光客約300⼈を無許可で宿泊させ、旅館業法違反で書類送検

●2014年5⽉ 東京

⽊造3階建ての⾃宅の1、2階部分にある3部屋(24.9m2)を1泊1⼈約2,500円から5,000円で旅⾏者に提供していた英国⼈男性(28)が旅館業法違反で逮捕。略式命令(罰⾦3万円)

●その他

2015年7月

東京都渋谷区で22日夜、4歳の女の子がマンション12階から転落し、まもなく死亡しました。この部屋は無許可民泊として貸し出されていたようで、中国人の母親が留守にしている間、ベランダから転落して死亡したとのことです。

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今後の民泊の摘発対策

今後は新法制定、旅館業法改正に向け、罰則規定、具体的には罰金の額が上がるという見方が有力です。

これは、一定の抑止力となるかもしれませんが、根本的な解決策はつながらないと思います。

いずれにしても、新法制定を待つか、旅館業法や特区民泊で正規の許可を取得するか、又は撤退するかの3つの選択肢に絞られてくるように思えます。無許可で続ける選択肢はありません。

●新法制定・施行を待つ・・・普通の住宅で営業可、ただし日数制限の問題あり?
●正規の営業許可
・特区民泊・・・対象区域が大阪と大田区のみ
・旅館業法の許可・・・要設備投資
●撤退

摘発対象は?

旅館業法違反の摘発の対象は、オーナーか代行業者か、賃貸人かという問題があります。

それぞれ、自分は当事者ではないと思っているかもしれませんが、特に代行業者は注意が必要です。掃除の代行ということであれば、事業者ではないと思いますが、ただ、宿泊客の案内、鍵の受け渡し、予約サイトでの集客や対応を代行するとなると、代行業者=無許可事業者のように考えることもできます。いや、想定すべきだと思います。

今後の半年が、民泊にとっては正念場といえそうですね。

●お知らせ●

☝管理組合からのお問い合わせもこちらまで

摘発リスクの高まりからか、許可取得に意欲的な方が多くなってきています。

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ふじの行政書士事務所
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東京都行政書士会 大田支部
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行政書士 藤野慶和
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