伊豆で旅館業の許可を取得|候補地選び

伊豆で旅館業の許可を取得するにあたっての候補地選びのポイントについて、行政書士の観点から解説します。


候補地選びの重要ポイント【法規制】

① 【用途地域の確認】

旅館業は原則として都市計画法の用途地域によって制限されます。

  • 旅館業が可能な用途地域:
    • 商業地域
    • 近隣商業地域
    • 準工業地域
    • 住居地域(※条件付き)
    • 無指定

注意:第一種低層住居専用地域などの【住居専用地域】では原則として旅館業不可。市街化調整区域は、原則不可です。

こちらの過去記事を参照ください https://fujino-gyosei.com/2020/01/07/minpaku-gairon3-youtochiiki/

📌例:別荘地や駅周辺の住宅地などは第一種低層住居専用地域が多く、旅館業には不向きなエリアが存在します。


② 【建物の構造・消防基準】

旅館業は消防法上の厳しい基準があり、宿泊施設は特定防火対象物として一般住宅より高いレベルの防災基準があり、特に木造家屋などでは改修が必要なケースもあります。

  • 滞在人数、構造によっては自動火災報知設備が必要
  • 建築基準法上の建物の用途変更申請が必要な場合も(例:住宅→旅館 延床面積200㎡超や増築の場合など)

注意:古民家再生型の宿泊施設を検討するなら、初期コストと改修可否の見極めが重要です。


③ 【周辺の住民環境(いわゆる民泊問題)】

住民トラブルを防ぐためにも地域コミュニティとの関係性が大切であり、

  • 静かな別荘地や住宅街では、旅館業や民泊への反発がある地域もあります。
  • クレームや反対運動→旅館業申請が事実上できないケースも

④ 【観光資源との距離】

宿の魅力=観光地へのアクセスの良さが非常に重要です。

  • 駅や温泉街、海水浴場、登山口などの集客要素が近くにあるか?
  • 徒歩圏内に飲食・温泉・観光施設があるとよいでしょう。

おすすめエリアはこちら

  • 熱海駅周辺(再開発エリア)・・・熱海は全般的に首都圏から近く人気です。
  • 伊東温泉街・・・温泉の供給が容易な地域が多く、また観光資源豊富で人気があります。
  • 下田港周辺・・・釣り人や遊覧船などのレジャー、温泉地としても古くから人気があります。
  • 河津桜周辺(季節要因を活用)・・・河津桜の季節やループ橋が人気です。

⑤ 【市町村の旅館業規制】

旅館業の可否は県の許可ですが、市町村ごとに異なる条例によって細かく旅館業法以外の規制が定められている場合があります。例えば、

  • 特に土砂災害警戒区域(イエローゾーン)や特別警戒区域(レッドゾーン)では制限あり。
  • 建築確認申請や土木計画との整合が必要
  • 景観条例や自然公園法の規制

✅事前に県の管轄「保健所」「建築、土木関連部局」「消防署」に確認が必要です。

自治体管轄保健所      管轄地域
静岡市静岡市保健所 保健所生活衛生課
浜松市浜松市保健所 保健所生活衛生課(中区・東区・西区・南区)
保健所浜北支所(北区・浜北区・天竜区)
静岡県直轄賀茂保健所 (下田市・東伊豆町・河津町・南伊豆町・松崎町・西伊豆町)
熱海保健所熱海市・伊東市
御殿場保健所御殿場市・駿東郡小山町
富士保健所富士市・庵原(イハラ)郡(旧)富士川町・富士宮市・富士郡(旧)芝川町 
東部保健所 (沼津市・三島市・裾野市・伊豆の国市・函南町・清水町・長泉町)
・修善寺支所(伊豆市)
中部保健所 (焼津市・藤枝市・島田市・川根本町)
・榛原分庁舎(牧之原市・吉田町)
西部保健所 (磐田市・袋井市・森町)
・掛川支所(掛川市・御前崎市・菊川市)
・浜名分庁舎(湖西市)

許認可の線民家としての実務的なアドバイス|どのように物件、用地を選定するか

チェック項目説明備考
市街化区域内か?市街化調整区域では原則不可
住宅宿泊事業は要調査
特例的にできる場合もありますが、要調査
建物の用途変更は?住宅→旅館に用途変更できるか
200㎡超の延べ床面積の場合注意
建築基準法の適合性
旅館業許可か民泊か?年間営業日数・人員によって選択稼働率が低く水戸盛られる場合、
180日以内なら住宅宿泊事業も候補
旅館業以外の許可届出食事の提供、温泉利用等食事の提供・販売:食品衛生法
温泉の利用:温泉利用許可
その他、水質汚濁防止法、自然公園法
など許可、届出が必要な場合があります。

静岡県、特に伊豆半島での申請は実績、事例が多くありますので、お気軽にご相談ください。

どのような宿にしていいかわからないという方には、プランの作成や設計事務所、工事業者のご紹介なども承ります。

当事務所は10年のノウハウを生かし、行政書士として、法的な部分を中心に宿泊事業立ち上げまで、サポートしています。

空き家活用にもぜひご相談ください

空き別荘や相続不動産が固定資産税を払うだけの負債ではなく収益物件になる可能性があります。
旅館業や民泊は、決して一部の大手だけのものではありません。

当事務所は10年のノウハウを生かし、行政書士として、法的な部分を中心に宿泊事業立ち上げまで、トータルにサポートしています。

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