小規模な建物(延べ床面積300㎡未満)の建物の一部を旅館業や民泊に転用する場合、自動火災報知設備の設置は、該当部分(旅館業等の部屋のみ)なのか、それとも全体なのかという質問が多く寄せられています。
例えば、自動火災法と設備の設置義務のない、小規模な共同住宅(アパートやマンション)や事務所ビルの一部を旅館業のような宿泊施設に転用する場合、平成30年6月1日の消防庁予防課通達が分かりやすいので、以下抜粋して掲載します。
上記を意訳すると、
300㎡未満の建物の場合
①と② 延べ床面積が300㎡未満・・・特定小規模施設用自動火災報知設備の設置可能
①は、単一の用途のみ・・・当然、建物全体に設置
②=複合用途の建物で一部に旅館業や民泊が存在する場合→旅館業等の部分のみに設置
300㎡以上の建物の場合
③小規模特定用途複合防火対象物・・・特定用途((5)項イなどの部分)の面積が1/10以下+その部分が300㎡未満の場合→その部分(旅館業等の部分)だけ自動火災報知設備の設置が必要※特定小規模用自動火災報知設備(無線式のもの)で可
④ 小規模特定用途複合防火対象物 (の緩和)
特定用途(旅館業等)の面積が 300㎡以上~500㎡未満 +
(5)項イ (旅館業や民泊)と (5)項ロ(共同住宅)以外の用途が存在しない +
(5)項イ (旅館業や民泊)の面積が300㎡未満
→ その部分(旅館業等の部分)だけ自動火災報知設備の設置が必要※特定小規模用自動火災報知設備(無線式のもの)で可
ということになります。
※ただし、3階以上の階は受信機を設置するなどが必要となるため、場合によっては、有線式のもののほうがコストや運用面で割安になることも考えられますので、費用目を含めて検討するのがよいでしょう。
※消防庁の通知についてはこちら(消防庁リンクページ)からご確認ください。