静岡県での旅館業申請について|手続気の流れ

静岡県で旅館業の許可を取得するための手続きについて、主な流れと注意点を整理しました。具体的な各管轄保健所により若干の差がありますので、該当地の保健所などで確認することも併せておすすめしますが、概要としては、以下の通りです。

もちろん他県でも概ね同様ですが、東京23の各自治体など、独自の手続きの自治体も多いので、今回は、静岡県の事例としてご活用ください。

旅館業法とは/適用される条件

  • 「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」は、旅館業法による許可が必要です。一般の住宅を使った「民泊」でも、料金を取って宿泊させる場合はこの許可が要件になることがあります。
  • 民泊サービスに関しては、「住宅宿泊事業法」の届出制度を利用できる場合があります。 ※静岡県公式ウェブサイト参照

許可を受ける種類

旅館業法には、営業形態の分類があります。静岡県でもこれ起動用です。

主な種類は、

  1. 旅館・ホテル営業 — 施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業で、簡易宿所営業及び下宿営業以外のもの。
  2. 簡易宿所営業 — 宿泊する場所を多数人で共用する構造及び設備を主とする施設を設け、宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業です。※静岡県の場合は、別荘での一棟貸しなどでも簡易宿所営業が可能な場合があります。
  3. 下宿営業 — 長期間(1月以上など)人を宿泊させる営業形態。旅館・ホテル営業や簡易宿所営業で下宿営業を行う場合は、基本的には申請不要です。

営業形態によって設備基準、提出する書類がやや異なります。

手続きの流れ(静岡県の場合)

静岡県・保健所設置自治体における標準的な許可取得の流れは次のとおりです。自治体により細かい事項が異なるので、参考情報としてご覧ください。

ステップ内容
① 事前相談保健所、建築主事(建築関係窓口、都市計画関係窓口)、消防署などと相談します。規模によっては用途変更の確認申請(建築基準法、都市計画法)や開発許可が必要な場合があります。
※関係法令:建築基準法、消防法(火災予防条例)、都市計画法、旅館業法、温泉法、水質汚濁防止法、自然公園法など各法令、条例等
② 書類準備静岡県のばあいは、旅館業許可申請書、衛生管理計画書、施設の見取図や平面図などの図面、周辺の略図・地図、法人の場合は定款・履歴事項全部証明 静岡県公式ウェブサイト
③ 提出申請書類を所轄の保健所(あるいは保健所設置市の生活衛生・保健福祉担当部署)に提出します。必要な手数料を納めます。静岡県では22,000円が標準
④ 施設調査(現地調査)提出後、保健所の担当者が現地を見て、申請内容と設備・構造が一致しているかなどを確認します。消防法等との整合性も見ます。 静岡県公式ウェブサイト
⑤ 許可の交付調査を経て問題なければ許可がおります。許可通知を受け、正式に営業を開始できます。静岡県賀茂保健所の例では、施設調査後1週間程度で電話連絡というケースもあります。 静岡県公式ウェブサイト

静岡県内の旅館業許可管轄自治体・保健所窓口

保健所設置市の静岡市は浜松市は市の窓口に、その他は県の各地域の保健所が窓口です。

自治体管轄保健所      管轄地域
静岡市静岡市保健所 保健所生活衛生課
浜松市浜松市保健所 保健所生活衛生課(中区・東区・西区・南区)
保健所浜北支所(北区・浜北区・天竜区)
静岡県直轄賀茂保健所 (下田市・東伊豆町・河津町・南伊豆町・松崎町・西伊豆町)
熱海保健所熱海市・伊東市
御殿場保健所御殿場市・駿東郡小山町
富士保健所富士市・庵原(イハラ)郡(旧)富士川町・富士宮市・富士郡(旧)芝川町 
東部保健所 (沼津市・三島市・裾野市・伊豆の国市・函南町・清水町・長泉町)
・修善寺支所(伊豆市)
中部保健所 (焼津市・藤枝市・島田市・川根本町)
・榛原分庁舎(牧之原市・吉田町)
西部保健所 (磐田市・袋井市・森町)
・掛川支所(掛川市・御前崎市・菊川市)
・浜名分庁舎(湖西市)

静岡県旅館業許可申請の流れ(詳細)

① 事前調査・相談

計画している施設や建物、所在する地域がが旅館業を営むことが可能かを確認します。

  • 用途地域の確認
    → 宿泊施設が建てられる地域かどうかを、市町の都市計画担当部署などで確認します。特に都市部ではない場合、市街化調整区域や無指定の場合は注意が必要です。
  • 建築基準法の確認
    → 既存建物を使う場合、用途変更が必要か(住宅→ホテル・旅館など)を建築関係の管轄部署で確認します。建物の規模(延床面積)などで、建築煕俊法上の用途変更の確認申請が必要な場合があります。
  • 消防法の確認
    → 火災報知器(自動火災報知設備)、消火器、誘導灯、避難器具、規模によってはスプリンクラー等の設置基準について、所轄消防署に確認  ※消防設備は、設置する機器により価格が大きく異なり、特に自動火災報知設備は無線連動式の特定小規模施設用のものを使用できるか否かが重要となります。
  • 保健所での事前相談
    → 間取り図、客室数、浴室やトイレの配置、衛生設備(換気、採光、給排水など)を提示し、基準に合うか相談

この段階で確認しておかないと、後から工事や大幅な修正が必要になることが懸念されます。また、こうした行政確認に際しては、実際に宿泊施設として開業する際の間取り図などの図面が必要となります。

当事務所では、図面がない建物の許認可向けに各種申請図面の作成を承ります。

まったく図面のにい建物で、ヒアリングに際して間取り図が必要な場合は、実地に策定を行い、平面図の作成から承っております。

※図面作成のお問い合わせはこちら。通信欄に図面作成とご記入ください。

消防用の図面、設備系統図や外観の立面図の復元(旅館業等各種申請用)も可能です。

② 施設の設計・整備

  • 法令や基準を満たすように施設を整備。
  • 客室面積や天井高さ、窓(旅館業法上は採光・換気、消防法上は排煙等の基準)、トイレ・洗面所の数、浴室設備、水道・排水、換気などの基準があります
  • 温泉や浴槽を設ける場合は「温泉法」や「公衆浴場法」の許可・検査も必要になる場合があります。
  • 旅館業の各施設は、原則として、水質汚濁防止法上の特定施設に該当しますので、特に浄化槽を使用する場合は、水質汚濁防止法上の届出が必要な場合もあります。

③ 書類準備

以下の書類をそろえます(静岡県の場合の一例)

  • 旅館業許可申請書
  • 施設の構造設備の概要書(平面図・配置図・各階平面図など)
  • 衛生管理計画書
  • 建築確認通知書や検査済証(必要な場合)
  • 消防法令適合通知書(消防署で発行)・・・これは事前に費用で、保健所の旅館業申請の添付書類となります。当然消防設備を設置して、消防署の検査を受ける必要があります。
  • 水道使用証明書または水質検査成績書
  • 法人の場合は定款・登記事項証明書
  • 循環ろ過装置の概要書(浴槽ありの場合)

④ 申請書の提出

  • 所轄の保健所に申請書類一式を提出します。
  • その際に行政手数料年て手数料(静岡県の場合:22,000円消費税は非課税)が必要です。

⑤ 現地調査(立入検査)

  • 保健所の担当者が施設を実際に確認。
  • 図面どおりに設備が整っているか、衛生基準・構造基準を満たしているかをチェック。
  • 消防署の立ち入り検査も別途行われることがあります。

⑥ 許可証の交付

  • 書類・現地検査ともに問題がなければ「旅館業営業許可証」が交付されます。
  • 許可証を受け取ってから、正式に営業開始が可能になります。※一般的には、集客に際し、許可証の写しをOTAに提出する必要があります。

⑦ 営業開始後

  • 衛生管理の記録(水質検査、清掃、点検など)を行い、保健所の指導に対応。保健所の定期検査もあります。
  • 定期的に消防設備点検を行う必要あり。※小規模な場合は、自己点検、業者に依頼することを推奨します。
  • 名称・営業者変更、増改築や営業の廃止などの際は、保健所へ変更届出や規模によっては再度許可申請が必要。

標準的な期間の目安

  • 事前相談~施設整備:数週間~数か月(建物工事が必要かどうかで変動します。実質的には消防署の検査と消防法令適合通知書の発行が必要ですので、既存建物で大きな回収がないとしても、概ね三か月程度が一般的です。)
  • 申請から許可まで:標準処理期間は20日程度です(不備がない場合)
  • 消防法令適合通知の取得:数日~3週間程度が多いですが、消防署の込み具合など考慮が必要です。

個別の物件に関する県などは、お気軽にお問合せください。

当事務所は10年のノウハウを生かし、行政書士として、法的な部分を中心に宿泊事業立ち上げまで、トータルにサポートしています。

伊豆半島・静岡県での旅館業の一例(お客様の物件です。ぜひご宿泊ください。)

https://voyan-hotels.com/ja/hotels/58

https://voyan-hotels.com/ja/hotels/19

https://izunoie-moana.com/

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