1 査証(VISA ビザ)
日本に上陸しようとする外国人は、原則として有効な旅券(パスポート)を所持していることのほかに、所持するパスポートに日本国領事官等が発給した有効な査証を所持していなければなりません。
査証とは国家が自国民以外(外国人)に対し、
●その人物の所持するパスポート(旅券)が有効
そして、
●その人物が入国しても差し支えないと示す証書です。
多くの国では入国を保証するものではなく、入国許可(上陸許可)申請に必要な書類の一部となっています。
査証は、その外国人の所持する旅券が適法に発給された有効なものであることを「確認」するとともに外国人の日本国への入国・在留が査証に記載されている条件に適合する「推薦」の性質を持っています。
日本においては、ビザは査証と在留資格証明書両方の意味で使わるることが多いのですが、厳密には査証は上陸許可を証する書類です。
※日本において査証を発給することは外務省の所掌事務です。
2 在留資格認定証明書
外国人が「短期滞在」以外の在留資格で我が国に上陸しようとする場合,申請に基づき法務大臣があらかじめ在留資格に関する上陸条件の適合性を審査し、条件に適合する場合にその旨の証明書を交付できることを定めています。これを在留資格認定証明書交付申請といい、交付される文書を在留資格認定証明書といいます。
海外に在住する外国人を長期的滞在の目的で日本に招聘するためには、在留資格認定証明書の交付申請を行うほうがよりスピーディーになります。
例えば、雇用したい外国人を日本に呼び寄せて就労させたり、
海外に離れて生活する配偶者や子を呼び寄せて一緒に生活する等の目的で利用されるのがこの在留資格認定証明書です。
ただし、観光や仕事の打ち合わせ、親族訪問等の目的で短期間呼び寄せるには、この在留資格認定証明書ではなく短期滞在ビザ(15日、30日、90日)の申請が必要となります。
在留資格認定証明書の目的と交付の要件
在留資格認定証明書制度は,入国審査手続の簡易・迅速化と効率化を図ることを目的としています。
在留資格認定証明書は、我が国に上陸しようとする外国人が、我が国において行おうとする活動が上陸のための条件(在留資格該当性・上陸基準適合性の要件)に適合しているかどうかについて法務大臣が事前に審査を行い、この条件に適合すると認められる場合に交付されるものです。
ちなみに、その外国人が我が国で行おうとする活動に在留資格該当性・上陸基準適合性が認められる場合でも、その外国人が上陸拒否事由に該当するなど他の上陸条件に適合しないことが判明したときは在留資格認定証明書は交付されません。
外国人が在留資格認定証明書を日本国領事館等に提示して査証の申請をした場合には、在留資格に係る上陸のための条件についての法務大臣の事前審査を終えているものとして扱われるため査証の発給に係る審査は迅速に行われます。
また、出入国港において同証明書を提示する外国人は、入国審査官から在留資格に関する上陸条件に適合する者として取り扱われますので上陸審査も簡易で迅速に行われます。
在留資格の意味
日本に入国し、在留する外国人は原則として、出入国港において上陸許可を受け、その際に決定された在留資格により、在留することとなっています。
つまり、在留資格は外国人が日本に滞在(居住)する根拠となるものです(根拠法:出入国管理及び難民認定法)
外国人が日本在留中に行うことができる活動の範囲は、この在留資格に対応して個別に定められており、「資格外活動の許可(例えば留学生のアルバイトなどです)」を取得する場合を除き、基本的に外国人はその在留資格で認められた活動下で認められる以外の収入を伴う活動(就労)を行ってはなりません。
したがって、●●の会社で働くために得た就労資格を他の目的、例えば、転職して他の会社の別の業務を行うなどということは禁止されているわけです。この場合は、在留資格の内容を◇する必要がありますが、例えば転職をする場合、すべてが認められるわけではないことに留意する必要があります。
3 日本入国までのフローチャート
① 日本における申請者を決める
(短期滞在で入国中の外国人本人 または受入会社(の職員)、在日親族等の代理人、代行者)
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② 入国管理局(入管)に対し在留資格認定証明書の交付申請
② 入国管理局(入管)に対し在留資格認定証明書の交付申請
(申請人の居住予定地、受入会社の所在地を管轄する(地方)入国管理局)
※ 在留資格認定証明書の有効期間は交付の日から3ヶ月。それまでに日本に入国できるよう日程を調整し申請します。
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③ 入国管理局による審査を経て在留資格認定証明書が交付→(結果は)日本にいる申請者へ送付される
③ 入国管理局による審査を経て在留資格認定証明書が交付→(結果は)日本にいる申請者へ送付される
※ 1~2ヶ月程度(最大3か月)
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④ 在留資格認定証明書を海外にいる外国人へ送る
④ 在留資格認定証明書を海外にいる外国人へ送る
※ 本人が短期滞在ビザで入国している場合、在留資格の変更申請を行うことにより、出国せずにそのまま滞在できる場合もあります。
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⑤ 外国人本人が現地日本国大使館または領事館においてビザ(査証)の発給申請を行う
⑤ 外国人本人が現地日本国大使館または領事館においてビザ(査証)の発給申請を行う
※ ~1週間
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⑥ ビザを所持して来日
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⑦ 日本上陸時に在留資格及び在留期間が決定
4 在留資格の一覧
在留資格 | 本邦において行うことができる活動 | 例示 | 在留期間 |
高度専門職 | 1号 | ポイント制による高度人材 | 1号は5年,2号は無期限 |
高度の専門的な能力を有する人材として法務省令で定める基準に適合する者が行う次のイからハまでのいずれかに該当する活動であって,我が国の学術研究又は経済の発展に寄与することが見込まれるもの | |||
1. イ 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて研究,研究の指導若しくは教育をする活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営し若しくは当該機関以外の本邦の公私の機関との契約に基づいて研究,研究の指導若しくは教育をする活動 | |||
2. ロ 法務大臣が指定する本邦の公私の機関との契約に基づいて自然科学若しくは人文科学の分野に属する知識若しくは技術を要する業務に従事する活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動 | |||
3. ハ 法務大臣が指定する本邦の公私の機関において貿易その他の事業の経営を行い若しくは当該事業の管理に従事する活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動 | |||
2号 | |||
1号に掲げる活動を行った者であって,その在留が我が国の利益に資するものとして法務省令で定める基準に適合するものが行う次に掲げる活動 | |||
1. イ 本邦の公私の機関との契約に基づいて研究,研究の指導又は教育をする活動 | |||
2. ロ 本邦の公私の機関との契約に基づいて自然科学又は人文科学の分野に属する知識又は技術を要する業務に従事する活動 | |||
3. ハ 本邦の公私の機関において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動 | |||
4. ニ 2号イからハまでのいずれかの活動と併せて行うこの表の教授,芸術,宗教,報道,法律・会計業務,医療,教育,技術・人文知識・国際業務,興行,技能の項に掲げる活動(2号のイからハまでのいずれかに該当する活動を除く。) | |||
経営・管理 | 本邦において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動(この表の法律・会計業務の項に掲げる資格を有しなければ法律上行うことができないこととされている事業の経営又は管理に従事する活動を除く。) | 企業等の経営者・管理者 | 5年,3年,1年,4月又は3月 |
法律・会計業務 | 外国法事務弁護士,外国公認会計士その他法律上資格を有する者が行うこととされている法律又は会計に係る業務に従事する活動 | 弁護士,公認会計士等 | 5年,3年,1年又は3月 |
医療 | 医師,歯科医師その他法律上資格を有する者が行うこととされている医療に係る業務に従事する活動 | 医師,歯科医師,看護師 | 5年,3年,1年又は3月 |
研究 | 本邦の公私の機関との契約に基づいて研究を行う業務に従事する活動(この表の教授の項に掲げる活動を除く。) | 政府関係機関や私企業等の研究者 | 5年,3年,1年又は3月 |
教育 | 本邦の小学校,中学校,義務教育学校,高等学校,中等教育学校,特別支援学校,専修学校又は各種学校若しくは設備及び編制に関してこれに準ずる教育機関において語学教育その他の教育をする活動 | 中学校・高等学校等の語学教師等 | 5年,3年,1年又は3月 |
技術・人文知識・国際業務 | 本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学,工学その他の自然科学の分野若しくは法律学,経済学,社会学 その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動(この表の教授,芸術,報道,経営・管理,法律・会計業務,医療,研究,教育,企業内転勤,興行の項に掲げる活動を除く。) | 機械工学等の技術者,通訳,デザイナー,私企業の語学教師,マーケティング業務従事者等 | 5年,3年,1年又は3月 |
企業内転勤 | 本邦に本店,支店その他の事業所のある公私の機関の外国にある事業所の職員が本邦にある事業所に期間を定めて転勤して当該事業所において行うこの表の技術・人文知識・国際業務の項に掲げる活動 | 外国の事業所からの転勤者 | 5年,3年,1年又は3月 |
興行 | 演劇,演芸,演奏,スポ―ツ等の興行に係る活動又はその他の芸能活動(この表の経営・管理の項に掲げる活動を除く。) | 俳優,歌手,ダンサー,プロスポーツ選手等 | 3年,1年,6月,3月又は15日 |
技能 | 本邦の公私の機関との契約に基づいて行う産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動 | 外国料理の調理師,スポーツ指導者,航空機の操縦者,貴金属等の加工職人等 | 5年,3年,1年又は3月 |
技能実習 | 1号 | 技能実習生 | 1年,6月又は法務大臣が個々に指定する期間(1年を超えない範囲) |
1. イ 本邦の公私の機関の外国にある事業所の職員又は本邦の公私の機関と法務省令で定める事業上の関係を有する外国の公私の機関の外国にある事業所の職員が これらの本邦の公私の機関との雇用契約に基づいて当該機関の本邦にある事業所の業務に従事して行う技能等の修得をする活動(これらの職員がこれらの本邦の 公私の機関の本邦にある事業所に受け入れられて行う当該活動に必要な知識の修得をする活動を含む。) | |||
2. ロ 法務省令で定める要件に適合する営利を目的としない団体により受け入れられて行う知識の修得及び当該団体の策定した計画に基づき,当該団体の責任及び監理の下に本邦の公私の機関との雇用契約に基づいて当該機関の業務に従事して行う技能等の修得をする活動 | |||
2号 | |||
1. イ 1号イに掲げる活動に従事して技能等を修得した者が,当該技能等に習熟するため,法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用契約に基づいて当該機関において当該技能等を要する業務に従事する活動 | |||
2. ロ 1号ロに掲げる活動に従事して技能等を修得した者が,当該技能等に習熟するため,法務大臣が指定する本邦の公私の機関との雇用契約に基づいて当該機関 において当該技能等を要する業務に従事する活動(法務省令で定める要件に適合する営利を目的としない団体の責任及び監理の下に当該業務に従事するものに限る。) | |||
文化活動 | 収入を伴わない学術上若しくは芸術上の活動又は我が国特有の文化若しくは技芸について専門的な研究を行い若しくは専門家の指導を受けてこれを修得する活動(この表の留学,研修の項に掲げる活動を除く。) | 日本文化の研究者等 | 3年,1年,6月又は3月 |
短期滞在 | 本邦に短期間滞在して行う観光,保養,スポ―ツ,親族の訪問,見学,講習又は会合への参加,業務連絡その他これらに類似する活動 | 観光客,会議参加者等 | 90日若しくは30日又は15日以内の日を単位とする期間 |
留学 | 本邦の大学,高等専門学校,高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)若しくは特別支援学校の高等部,中学校(義務教育学校の後期過程及び中等教育学校の前期課程を含む。)若しくは特別支援学校の中学部,小学校(義務教育学校の前期過程を含む。)若しくは特別支援学校の小学部,専修学校若しくは各種学校又は設備及び編制 に関してこれらに準ずる機関において教育を受ける活動 | 大学,短期大学,高等専門学校,高等学校,中学校及び小学校等の学生・生徒 | 4年3月,4年,3年3月,3年,2年3月,2年,1年3月,1年,6月又は3月 |
研修 | 本邦の公私の機関により受け入れられて行う技能等の修得をする活動(この表の技能実習1号,留学の項に掲げる活動を除く。) | 研修生 | 1年,6月又は3月 |
家族滞在 | この表の教授から文化活動までの在留資格をもって在留する者(技能実習を除く。)又はこの表の留学の在留資格をもって在留する者の扶養を受ける配偶者又は子として行う日常的な活動 | 在留外国人が扶養する配偶者・子 | 5年,4年3月,4年,3年3月,3年,2年3月,2年,1年3月,1年,6月又は3月 |
特定活動 | 法務大臣が個々の外国人について特に指定する活動 | 外交官等の家事使用人,ワーキング・ホリデー,経済連携協定に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者等 | 5年,3年,1年,6月,3月又は法務大臣が個々に指定する期間(5年を超えない範囲) |
永住者 | 法務大臣が永住を認める者 | 法務大臣から永住の許可を受けた者(入管特例法の「特別永住者」を除く。) | 無期限 |
日本人の配偶者等 | 日本人の配偶者若しくは特別養子又は日本人の子として出生した者 | 日本人の配偶者・子・特別養子 | 5年,3年,1年又は6月 |
永住者の配偶者等 | 永住者等の配偶者又は永住者等の子として本邦で出生しその後引き続き本邦に在留している者 | 永住者・特別永住者の配偶者及び本邦で出生し引き続き在留している子 | 5年,3年,1年又は6月 |
定住者 | 法務大臣が特別な理由を考慮し一定の在留期間を指定して居住を認める者
①定住者告示に該当する者(告示定住者)・・・日系人やその配偶者、「定住者」の実子、日本人や永住者の配偶者の実子(いわゆる連れ子)、日本人や永住者、定住者の6歳未満の養子、中国残留邦人やその親族など ②定住者告示に該当しない者(非告示定住者)・・・日本人や永住者と離婚・死別後、引き続き在留を希望する者や日本人との間の実子を扶養する者など |
第三国定住難民,日系3世,中国残留邦人等 | 5年,3年,1年,6月又は法務大臣が個々に指定する期間(5年を超えない範囲) |
外交 | 日本国政府が接受する外国政府の外交使節団若しくは領事機関の構成員,条約若しくは国際慣行により外交使節と同様の特権及び免除を受ける者又はこれらの者と同一の世帯に属する家族の構成員としての活動 | 外国政府の大使,公使,総領事,代表団構成員等及びその家族 | 外交活動の期間 |
公用 | 日本国政府の承認した外国政府若しくは国際機関の公務に従事する者又はその者と同一の世帯に属する家族の構成員としての活動(この表の外交の項に掲げる活動を除く。) | 外国政府の大使館・領事館の職員,国際機関等から公の用務で派遣される者等及びその家族 | 5年,3年,1年,3月,30日又は15日 |
教授 | 本邦の大学若しくはこれに準ずる機関又は高等専門学校において研究,研究の指導又は教育をする活動 | 大学教授等 | 5年,3年,1年又は3月 |
芸術 | 収入を伴う音楽,美術,文学その他の芸術上の活動(この表の興行の項に掲げる活動を除く。) | 作曲家,画家,著述家等 | 5年,3年,1年又は3月 |
宗教 | 外国の宗教団体により本邦に派遣された宗教家の行う布教その他の宗教上の活動 | 外国の宗教団体から派遣される宣教師等 | 5年,3年,1年又は3月 |
報道 | 外国の報道機関との契約に基づいて行う取材その他の報道上の活動 | 外国の報道機関の記者,カメラマン | 5年,3年,1年又は3月 |
申請の種類(在留許可 VISAの種類) | 料金(税抜) | その他費用など | ||
新規 | 在留資格認定証明書(ビザ取得・呼び寄せ) | 基本(就労) | 150,000~ | 印紙代、通信費・交通費、翻訳料(英語・中国語3万円~4万5千円程度その他応相談)など(実費) |
経営・管理 | 160,000~ | |||
基本(非就労) | 95,000~ | |||
居住 | 95,000~ | |||
親呼び寄せ | 150,000~ | |||
変更 | 在留資格更
例:留学→人文国際 人文国際→経営管理 |
基本(就労) | 150,000~ | |
経営・管理 | 160,000~ | |||
基本(非就労) | 90,000~ | |||
基本(居住) | 90,000~ | |||
更新(単純更新) | ビザ更新・在留期間更新
※同条件のまま更新の場合です。転職等で許可を受けた条件に変更がある場合は、変更と同様の料金となります。 |
経営管理 | 100,000~ | |
技術・人文・国際 | 80,000~ | |||
芸術文化活動 | 80,000~ | |||
高度専門 | 90,000~ | |||
研修 | 80,000~ | |||
永住許可 | 150,000〜 | |||
再入国許可 | 33,000~ | |||
資格外活動許可 | 33,000~ | |||
就労資格認定証明書 | 転職(同内容の業務の場合) | 75,000(単純なもの)~150,000(複雑なもの) | ||
転職の場合(業種などの変更) | 150,000~ | |||
在留特別許可(出頭付き添い) | 250,000(300,000)~ | |||
帰化申請 | 被雇用者 | 180,000~ | ||
経営者、役員 | 250,000~ | |||
国籍取得届出 | 150,000~ |
上記は基本料金です。業務内容が複雑な場合は別途お見積りいたします。
クレジットカード決済も可能です。
◇名称:ふじの行政書士事務所
◇代表者:藤野慶和(ふじのよしかず)
◇所在地:〒145-0064 東京都大田区上池台4丁目2番6号レイクヒル長原207号室
◇TEL:03-6885-2595
◇E-mail:info@fujino-gyosei.com
◇営業時間:平日9時30分~18時30分
定休日 土日祝日(※事前予約により応相談、急を要する場合はお電話ください)