予算前倒しの効果

本日は、民泊そのもの話ではありません。国の予算の前倒し執行の話です。

昨日国の予算の前倒執行というニュースが多く流れていましたが、景気のテコ入れとして予算執行を前倒しして上半期に集中させるそうです。

つまり、12兆円の公共事業を契約を前倒しして、先にやってしまおうということですね。

さて、これはどういう効果があるかというと、公共事業の契約を前倒して行うことにより(例年の上半期7割契約から8割契約にするそうです)、失速気味の景気回復を押し上げようというものです。現在、円高傾向が強まり、日経平均の下落を見ても明らかなように、景気の先行きが不透明な状況ですから…

さて、この前倒し執行で、主に効果があるのは、公共事業を請け負う建設関係だと思います。本当に前倒し執行をするとなると、懸念されるのが、資材の供給です。少し前の話しですが、東日本大震災の復興需要で、コンクリートなどの資材が品薄になり、資材費が高騰したことがあったのですが、現在は、原油安も相まって、資材費が高く工事がしにくいという状況ではないと思いますが、ピンポイントで、資材が品薄になる可能性もあります。

ただ、前倒しは契約なので、実際に工事が早く行われるかどうかは不透明で、その経済効果は約1兆円ということだそうです。したがって、震災の復興需要のときのように、資材が品薄で価格が上昇する可能性は低いと思いますし、もともと使う予定の予算を前倒しするのですから、限定的だとも思いますが、それでも、建物の改装等を検討されている方は、モノがあるうちに早めにやってしまうのが得策だと思います。

そして、もっと現実的なのは、工事を行う業者の対応です。業者に雇われる技術者、職人の人数には限りがあります。それでなくとも、東京オリンピック需要により、技術者や職人は足りない状況にありますので、少しでも忙しくなると工事をする人が対応できなくなるということが現実味を帯びてきます。ですから、何事も早めのオーダーがよいのではないでしょうか。むしろ資材よりもこちらの方が心配ですね。

なお、予算を前倒しすると、下半期の年度末辺りは、執行する予算がなくなりスカスカになるんじゃないかと思われるかもしれませんが、おそらく、下半期は下半期で、報道の通り、補正予算が組まれるのではないでしょうか。

ちなみに、現在、日本の国内で資材などを販売している企業は、昔と比べてあまり在庫を持たなくなってきています。トヨタ方式の普及なのか、景気が悪かったからなのかは定かではありませんが、一昔前と比べて、受注生産の傾向が強くなっています。

トイレやキッチン、カーテンの仕様をオーダーできたりするようになって、インテリア関係はとても選択肢が増えたとは思いますが、一旦、材料(原料資材)の供給がストップするとなると、すぐに売るものがなくなってしまいますね。

住宅を購入してリフォームしようと考えている人はもとより、民泊参入(許可取り)についても、待っているよりも早めの対応がいいと思われます。

規制緩和や特区民泊と簡易宿所とどちらがいいかなどと、いろいろ考えている方が多いと思いますが、物件の数は限られていますし、また、民泊や旅館業を専門とする行政書士の数も限られていますので、国よりも前に「前倒し」して、早めに行動するのがいいのかもしれませんね。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

トップへ戻る