マンションと民泊②(規約改正)

マンションで民泊は許される?

久しぶりですが、マンションと民泊の話です。

マンションでは民泊はやりにくいという話をしたと思いますが、それは立地と規約の問題だということを言いました。

マンションの管理規約では「専ら(もっぱらとよみます)居住の用」とか「専ら住居として使用」というように、用途が限定されている可能性が高いということと、そもそも、建築基準法上住居用以外には使用できない建物が多いという内容だったと思います。

さて、今回はマンションの他の住民側の立場で解説していきますが、そうは言っても、「住居」の定義はあいまいです。

何日住んでいれば住居なのかなど、ズバり法定された定義はありませんので、実際問題「住んでいるんです。」とか「遊びに来ているだけです。」といわれると、何とも釈然としないというか、返答に困る場合がありますね。

※30日未満は住居ではなく宿泊だとか、住民票を取れるかなどの行政解釈はあるのですが、あくまでも解釈であるため、法律上決着がついているわけではありません。

マンション管理規約

そこで、管理規約というのが重要になってきます。管理規約は、当該マンションの運営や使用方法を定めた、いわば、そのマンションにとっては憲法のようなものなので、この規約を「民泊禁止」というふうに変更してしまえば、管理規約を盾に、民泊をしている事業者に対抗することができますね。

管理規約の改正で民泊をやめさせることはできるか?

さて、規約の改正についてですが、これは、区分所有法の中で規定されています。総議決権(区分所有権全体)の3/4で議決しなければ変えることができまない重要な決議事項となっています。そしてこの議決権は、任意に変更することが出来なくなっていますので、3/4つまり75%が賛成しなければ規約は変更できないわけで、けっこう高いハードルのように見えますね。

区分所有法(抜粋)

(規約の設定、変更及び廃止)

第三十一条  規約の設定、変更又は廃止は、区分所有者及び議決権の各四分の三以上の多数による集会の決議によつてする。この場合において、規約の設定、変更又は廃止が一部の区分所有者の権利に特別の影響を及ぼすべきときは、その承諾を得なければならない。

2  前条第二項に規定する事項についての区分所有者全員の規約の設定、変更又は廃止は、当該一部共用部分を共用すべき区分所有者の四分の一を超える者又はその議決権の四分の一を超える議決権を有する者が反対したときは、することができない。

ただ、マンションの管理組合や、運営を請け負う管理会社が本気になれば、できないわけではないと思います。

よく、ニュースや評論などで区分所有法をあまり知らない人が、「規約の変更は特別決議だから難しい」とか「民泊をやめさせることは困難」とか言いますが、別にそんなことはありません。その理由は、区分所有法には「書面決議」、「代理人に委任」という方法があるからです。

以下条文です

(議事)

第三十九条  集会の議事は、この法律又は規約に別段の定めがない限り、区分所有者及び議決権の各過半数で決する。

2  議決権は、書面で、又は代理人によつて行使することができる。

3  区分所有者は、規約又は集会の決議により、前項の規定による書面による議決権の行使に代えて、電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて法務省令で定めるものをいう。以下同じ。)によつて議決権を行使することができる。

つまり、簡単なのは、だれか議決権のある者に、委任状を取り付けてしまえば、意外と簡単に、規約の変更はできてしまうのです。書面で賛成・反対とか電磁的方法(ネットやメールで議決)とかをやれば、賛否を区分所有者がその場で考えてしまうので、ひょとしたら、議決まで至らないかもしれません。しかし、誰かに一任ということになれば、考えることもその人に一任となるので、意外と議決の3/4を達成してしまうのではないかと思います。

よく、会社の株主総会や、何かの組合の大会などで、満場一致で可決されることがありますが、たとえは区分主有者は100人いるのに、総会には10人しか来ないような管理組合だとして、全員が委任状を持っていれば、8人の賛成で議決してしまうわけです。この10人の中で、たくさんの人から委任された人がいれば、ひょっとすると2-3人が賛成しただけで、可決してしまう場合も考えられます。

ですから、どうしても民泊を禁止したいマンションがあれば、まずは管理規約を調べてみて、場合によっては、臨時総会の呼びかけを動議してみるのもいいかもしれません。

確かに、民泊は経済活性化としてはとてもいいと思いますし、合法的ならばぜひやった方が投資や資産活用として面白いと思いますが、所有権は、排他的な施設利用権ともいえますので、マンションの運用をどうするのかは、その個々のマンションで考えてもらうのが一番だと思います。

規約改正のことなどわからなくても、きっと、多くの行政書士や管理会社などが協力してくれると思いますね。

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