借地借家法と民泊② 民泊とマンスリーマンション

民泊は借家契約か?

借家契約の3つの視点

借地借家法と民泊の続きです。
前回の続きです。前回、借地借家法上は、1日でも定期借家契約は結べるといいましたが、民泊は、借家契約でしょうか?
それは、見解が分かれるところですが、過去に厚生省から通達が出ています。昭和63年ですが、内容は長いのでポイントだけ意訳すると、
生活の本拠を置いているか
●衛生面などは、オーナーが主体で行っているか(寝具の提供
期間が1か月未満であるか
という視点について触れられています。
①生活の本拠とは、つまり、実際に住んでいて生活の拠点だということです。
②衛生面については旅館業法の『宿泊』の定義が旅館業とは「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業」と定義されており、「宿泊」とは「寝具を使用して施設を利用すること」とされているので、ベットメイキングや掃除のサービスをしていると旅館業ということになるという意味です。
③そして、期間についてですが、法律では規定がありませんので、この通達が解釈のよりどころということとなります。➡行政解釈(通達ですね)は法律ではないけれども、取り消されたり、裁判の判決が確定して否定されるまでは、事実上、有効であり、法律同様の効果がありますね。法律論としては違うというかもしれませんが、ほかに解釈がない以上、実工場は従わざるを得ません。
つまり、この時点から、民泊どころか、ウィークリーマンションや、ひょっとするとマンスリーマンションも旅館業法の営業許可が必要だったということになります。
ちなみに、前回、短期の定期借家契約が認められるようになったのは、わりと最近のことだとお話しましたが、旅館業法の適用を受けない場合は、定期借家にしておくのが貸す方に有利です。
なぜならば、定期借家か普通借家かわからない場合は、解約の時が大変です。普通借家契約というものは、「更新」ありきの契約なので、貸主に正当な理由がないと拒めません。つまり、居座られる可能性もあります。
したがって、マンスリーマンションでは、期間が長い場合は、定期借家契約を結んでいるのです。
特区民泊は宿泊契約ではなく、賃貸借契約であるとのことなので、宿泊者との契約書を作るときには6泊7日も大切ですが、この点にも気をつけてほしいと思います。私もこの点に気をつけて、特区民泊用の契約書を作成していきます。

特区民泊は定期借家なのか?

※加筆2016.3.9
特区民泊が定期借家なのか、旅館業なのかということについては、正直なところ、正式な行政解釈を見つけることができません。非常に歯切れが悪いですね。
法律上は、
①旅館業法があって、短期の宿泊に該当するような民泊は「旅館業」である。
②しかし、特区法という特別法により、旅館業法の規定は適用されない。
③したがって、特区法の区域で自治体の条例に基づく許可を取って営業する民泊施設は旅館業と同じ形態の営業であるけど、旅館業ではない。
④では、旅館でないなら、利用者と賃貸借契約を結んでいるから「定期借家」なのか?ということUなりますが、この辺が不明です。
定期借家契約自体に期間の長さはないので、そうだといえばそうです。しかし、特区法に基づく条例を基準に「外国人滞在施設経営事業」として特定認定を受けているので、まったく別の許可基準ということも言えますね。
この辺りは、行政に紹介して聞いてみたい気もしますが、おそらく、特区法の解釈になると思いますので、自治体が解釈できるかは難しいところだと思います。
いずれにしても、形態としては定期借家の形態をとりながら、実際は一定期間宿泊させるという、何ともよくわからない契約なのです。
事業者は「寝具の提供」をしてますから、おもいっきり「宿泊」させてるんですけどね…。

●特区民泊について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

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